ローバーミニ:ステディロッドブッシュを交換してみる。~ブッシュ付け替え編~

前回分解まで完了したステディロッド周り。

ローバーミニ:ステディロッドブッシュを交換してみる。~分解編~
定番のメンテナンスですが、ステディロッドブッシュを交換していきます。ちなみに僕のつゆだく(ローバーミニ )は97年モデルのAT車...つづく

潔癖症な僕はとりあえずサクッと掃除をしておきます。パーツクリーナー吹いて拭いただけなんですが。

上の画像ではエンジンブロックに固定する側の金属ステーが写ってないですが、それ以外はこんな感じの部品群です。編み込みワイヤーの紐はエンジンアースですね。ステディロッドと一緒にボルトで固定されているので、組込時には忘れないように合わせて付けてください。

では今回はステディロッドにハマっているブッシュの差し替えや組み立てをしていきたいと思います。

■ステディロッドメンテで大変といえばこれぐらい?古いブッシュを抜く。

目的であるブッシュを交換します。ここのブッシュは”圧入型”と呼ばれ、ゴムブッシュの両端の径が大きいことでロッドから抜けないようになっています。つまり無理やり古いブッシュを外して、新しい物を無理やり押し込む必要があるということです。

ロッドから抜くには専用の工具を使うのがベストでしょうが、個人でそんなものまでわざわざ買っていません。ロッドのブッシュ差し込み筒内径よりも小さいソケットを用意して、それをブッシュの上に置いてハンマーで叩き出すのが一般的なのかもしれません。

ただそんな簡単には抜けそうもないので以前教わった力技でいきたいと思います。オススメな方法かと言うとそうではないので、自己責任でお願いします。というか全てのDIYは自己責任です。

①古いブッシュとロッドの接触面(両面)に潤滑スプレーを吹く。KURE 556なんかでも大丈夫だと思います。
②ロッドの内径よりも小さいソケットを地面において、その上に片側のブッシュを乗せる。下の画像では敷いていませんが、ソケットが痛むので段ボールなどを敷いた方がいいですね。
③ソケットに乗せたブッシュ側の、ロッド付け根に上司の顔写真を貼る。本行程は割愛も可能です。
④靴のかかとでロッドのブッシュ近くをガツンと踏み抜く。するとブッシュが抜けます。

ブッシュがうまく抜けたのが上の画像です。1回ではうまくいかずに何度かやりました。抜けたブッシュを見てもらうとわかるように、ブッシュの両端の径が結構太いのでこれだけ力が加わらないと抜けないですね。

この踏み抜き技でも反対側は外れませんでした。。スニーカーでやっていたのですが、何度もトライするとかかとが痛くなるのでさっさと諦めてブッシュのフチを切り落とします。ピラニアのこぎりでブッシュの端を輪切りにするのですが、中心に金属筒が入っているのでゴム部分だけ1周切り取ります。金属芯はカットする必要ありませんので。

切り落とせました。これでもう一度踏み抜くと、今度は抜け防止ストッパーになる部分がないので一発で抜けます。古いブッシュは再利用することもないので、面倒でなければ最初から片側を切り落としてから踏み抜くと安全ですね。

■ようやく外れたら新しいブッシュをヌルッと差し込む。こちらは簡単。

古いブッシュを見てみると、パッと見た感じはそれほど劣化しているようには見えませんね。金属ロッドの接触面は熱で若干うねっていますが、ゴムにヒビが入ったりもしておらず硬くもなっていないように感じます。あれー。

さらに新旧品で比較をしてみましょう。下の画像で上と右が古いもの、左と下が新しいものです。さっき輪切りにしたゴム片は乗っけているだけです。

なんだかあんまり違いがありませんね。。交換する必要があったのかわかりませんが、過去の交換から時間も距離も経っているので新しいものに交換します。

今回はではなく通常品にしました。圧入タイプ強化ステディロッドブッシュで、
2個入って¥2,300。購入は楽天やAmazonでは強化ウレタンブッシュしか出ていなかったのでショップのオンラインサイトから直接購入。まとめ買いしないと送料がキツイので、ほかの消耗品も一緒に買いました。下の物は強化品で僕が買った物ではないのですが、こういったカスタムパーツしかオンラインモールには出ていませんね。


ひとまず新しい物を差し込むにあたって、滑りを良くするために潤滑スプレーを吹いておきます。これをロッドの穴に圧入していくわけです。

潤滑スプレーを吹いたのですが、やっぱり粘度の高いグリスがいいかなーと思い、ロッドの差し込み穴に指でウレアグリスを塗っておきました。そしたら外した時とは逆に、地面にブッシュをおいてロッドの穴を合わせて重ねます。外す時と違って、今度はグリスがしっかり塗られているのでゆっくりとロッドを踏むだけでOK。両側とも同じです。

すると気持ちいいぐらい簡単にブッシュが入ります。そりゃあもうヌルッとです。このサイトは健全で安全です。

■アースの接点は磨いておく。じゃないとアースの意味がなさそうだから。

さて、分解した時に一緒のボルトで固定されていたアースのワイヤーがあったと思います。これは大事な気がするので接点を回復させておきましょう。両端の端子をサンドペーパーで磨きます。光沢が出れば金属面がしっかり露出しているので大丈夫だと思います。

もう手がボロボロですね。。軍手しろよって話かもしれませんが、軍手すると作業しづらいんですよね。

アースはエンジンの金属ブロックからボディまで通電しなければ意味がないので、そのほかの接触面も磨いておきます。下の画像はエンジン側にロッドを固定する際のステーです。

その他、ボルトとナットのアース端子接触面や、ボディ側のアース端子接触面も磨いておきます。これでエンジンブロックからボルト、アースを通してボディまでしっかり通電するはずです。

■ようやく組み付け。元々の手順と逆のステップで作業。

ようやっと組み付けですね。

そうそう、特にエンジンブロックへの固定側は高熱でボルトが固着しやすいです。これでボルト折ったりするとエンジンブロックにネジ部が残ってしまってもう目もあてられないので、焼き付き対策をしておきます。各ボルトおよびナット類にはいわゆるスレッドコンパウンドを丁寧に塗っておいて、固着を防ぎます。

僕が使っているのはこれです。大量に塗る必要はないのですが、指でねじ山全面に丁寧に塗っておきます。これ塗った後にボルトを地面に落とすと砂がつくので注意。そのままねじ込むと砂を噛んでネジを痛めますので、落としてしまったら面倒でもネジを掃除します。


各パーツの準備が整ったら、外す時にも面倒な手順があったように、つけるときはその逆の手順を辿ってください。

上の画像はステディロッドまで取りつけられたところ。アースはボディ側(奥)が車体裏のナットとセットで端子を固定しました。とにかく痛い思いしながら手をねじ込んで、なんとかボディ側プレート裏にナットを差し込みます。

エンジン側(手前)はステーの外側に固定しています。それと面倒なのが、エンジンブロックとステディロッドの間に入るワッシャー。これが取り付け時にポロポロ落ちてイライラしますね。。

ステディロッドはあんまりキツく締めつけすぎない方がいいのかもしれません。エンジンブロック側は特に、ねじ穴が直接ブロックなので・・・

■最後にエントツを付けたら完成。

お気づき頂けただろうか・・・

エントツをつける前にステディロッドのエンジン側を固定するとエントツのナットが締められません。。だから手順に気を付けろってあれだけ言ったのに・・・やり直しです。取り付ける際の手順は、以下です。

①ステディロッドのボディ側を取り付け
②エントツを取り付け
③ステディロッドのエンジン側を取り付け

ようやく元通りになりました。ここで忘れやすい事項を再度チェックしておきます。アースはちゃんと一緒に付けました?ステディロッドとエンジンブロックの間にワッシャーを入れました?エントツの上端チューブを差し込み接続しました?

一通り忘れ物がないことを確認したら、エンジンを手で掴んで軽く前後に揺すってみます。動かなければOKです。というか動かないはずです。

■試走してみた感じは、やっぱりブッシュは交換時期だった。

作業が完了したら手をきれいに洗ってから試走に出てみました。

古いブッシュを見るとあまり劣化しているように見えなかったので、交換する必要なかったかなぁとも思いましたが、実際に走ってみると変速ショックは小さくなりました。変速ショックは小さい方がミッションやサブフレームなど、全体への負担が小さいので交換して正解でしたね。

ブッシュというとテンションロッドやロワアームのように、劣化してくると目に見えてヒビが入ったりするのかと思っていました。でもステディロッドのように激しく動かない(でも熱劣化がキツい)ような場所では、パッと見で判断せずに変速ショックや使用期間で交換を判断する必要がありますね。