さてフェンダーが擦ってしまってまったく普段乗りができないクアトロポルテ。
まぁ普通に考えたらフェンダー処理をしてくれるショップに持ち込んでツメ折りすることですが、ちょっと調べてみると、ショップは作業慣れして失敗しづらいものの、やること自体は原始的というかDIYでやる作業とあまり変わらないようですね。ということで今回は(がっかりしたことにより若干投げやりになっているところもありますが)DIYでボディをぶっ叩いていきたいと思います。
前回までの記事はこちら。
このページのもくじ。
まずはこのデカくて太い21インチホイールを外すことからか・・・。パナメーラより重い巨体をジャッキアップするのも怖い。
ひとまずホイールを外しますか・・・。21インチで太いホイール、超絶重そう。もちろん輸入車なんでホイールを固定するのはボルトで、ボルトを抜けばハブからガタンと落ちることが予想されます。ひとまずジャッキアップしてからは緩められないので地面に降りてる状態でホイールボルトを少し緩めておきます。

ボルトの頭は実測で22mm。普通ホイールボルトのサイズって奇数のイメージなんですけど、純正ホイールが22mmなのかはわかりません。ハイパーフォージドのホイールにつくボルトが22mmという可能性もあるかと。
固いボルトを少し緩めたらジャッキアップしていきます。クアトロポルテのジャッキポイントはちょっとわかりづらいのですが、サイドを覗き込んでフレームっぽいところに当てていきます。フレーム上に丸い穴が空いているところがジャッキポイントな気がします。ディーラーだとリフトがずれないように専用の丸いラバーブロックをここに差し込むのかも(BMWだと長方形の凹みにその形のラバーブロックを差し込む)。思ったよりサイドスカートから奥なのと、思ったより車体の前後中央寄りなんですが、その分車体全体を高く持ち上げないとリジットラック(ウマ)が入らないので困ります。それにローダウンしていることもあって、背丈の低いローダウンジャッキを使ってもサイドスカートに当たるギリギリです。
もちろんリフトなんてないのでジャッキアップです。これだけ重たい車体、僕は1箇所だけ持ち上げるのは怖いので(車体にも負担が大きい)左右2つのジャッキでなるべく均等に交互に上げていきます。なんですが今回ガレージのスペースが左右それほど取れない都合で(サイドスカートに当たるのでジャッキを車体に垂直に近い角度でしか差し込めなかった)、左右同時にジャッキをかけられない・・・。
ガレージから頭を出して作業する?いやでもシャッター閉めてガンガン叩きたいし・・・。外でこんなことやってたら、また新しいクルマ買ってすぐヤバいことやってるとご近所に思われるし、ガンガン叩くのはうるさいから目立つと思うし・・・。(切実です)

結局車体片側の前後をジャッキアップして片足上げ状態にしてみることに(フロントかリヤだけを上げるのに対して、足回りの負担が大きいのであんまり良くないかも?)しました。昔の車は片側上げがザラだったみたいですけどね。昔々おやぢが付属のパンタジャッキで片側上げてタイヤローテーションしてた記憶がうっすらあります。
今回クルマの下に潜るわけではないですが、車体が重たいのとハンマーでガンガン叩くことになるのでリジットラック(ウマ)もバックアップとして前後にかけます。片側上げだとジャッキの乗っているところが滑るのも怖いですが、一方でウマかけようとするとかなり高くジャッキを上げないといけないので、それはそれで怖いかも。
この状態でホイールボルトを緩めていってホイールを下ろすんですが、かなり重たいので落下に気をつけます。ボルトは全体を満遍なく緩めといて、最後にホイール全体を落ちないように体で支えながら全部のボルトをササっと外して(まだギリギリハブに引っかかって落下しない)からホイール全体をそっと下ろします。
そうそう。あと気をつけるのはガタンと落としたり何かにぶつけることだけでなく、腰をやらないようにも気をつけます・・・。笑
外してみると外から見えてなかったタイヤ幅もあらわになり、めちゃくちゃデカい。これキャンバーつけて履いてんの?頭おかしいの?笑
ようやく1輪が外れた。普段つゆだく(ローバーミニ)のタイヤはよく外しますけど、それ以外は外さないのでガレージ内でめちゃくちゃデカく、めちゃくちゃ太く見えます。この太さで一定のネガキャンついてるわけでしょ?恐ろしいわー。笑

タイヤとホイールのコンディションチェックは後にして、まずはフェンダーの状態を見ます。
下から覗き込んでいくと主にはタイヤの垂直から後方20~30°ぐらい(つまりフェンダーアーチのやや後ろ側)がよく当たっている感じですね。フェンダーに黒いタイヤ痕がついていて、指でなぞると納車時に塗られていたタイヤワックスが黒々と指につきます。これで当たっている箇所が大体わかるわけですね。それともちろん当たっているのはフェンダー内に折り返されたツメの先端(金属板のエッジ)部分。

上の画像は右後ろ側です。赤丸のところに黒いタイヤ痕がついているのがわかりますよね?
ただしそれに加えてその付近のホイールハウスインナーがなぜかタイヤ方向に膨れている箇所があって、そこも一緒にタイヤに当たっています。摩擦でインナーが一部擦り切れていました。左右とも同じ感じなので、インナーはそこがでっぱっている設計なんだと思います。指で押すと裏側にはスペースがあるようでベコベコ凹ませることもできる感じ。併せてなんとかしましょう(最悪インナーを大幅にカットしたり無くしてしまうようですが、それをすると石や汚れが飛び散るのとロードノイズも大きくなるので、普段乗り車としてはやりたくない)。

で、上の画像は右後ろ側のインナーで切れているところ。フェンダーの継ぎ目よりしたは樹脂バンパーなので曲げることはできず最後はカットになります。結構近いところで当たってるなぁ・・・。
今回作業は右側から行いますが、左側の方がよく当たるなぁと思っていたのも、なぜか左側のフェンダーは一部がタイヤ方向に出っ張るように少しヨレていました。もしかしたらタイヤがハードヒットした際に引っかかって逆に飛び出たのかも?完全にめくれてタイヤロックしたり、インナーをひったくって巻き込んだりすると大事故にもなりうるので怖いですね・・・。
そもそもサスペンションのストロークを抑えるためにバネレートを硬くするとか(もちろん乗り心地は悪化)、車高調入れ直して車高を上げるとか(ただし車高上げるとハミタイ度合いが悪化)の手もありますが、これらは最終手段に取っておきましょう。
フェンダーはしっかりと折り目部分を温めて塗装を柔らかくしてから、内側のツメ部分をハンマーでぶっ叩く。
ひとまずホイールハウスインナーの見えているボルトをいくつか外していきます。画像は撮り忘れたのですが、見えているボルトを六角で外していけばOKです。全部外す必要はないのですが、ある程度固定箇所を減らすとフェンダーの折り返しツメからインナーを分離というか引き出すことができました。めんどくさがらずに全部外した方が作業しやすかったかも。この後塗装を柔らかくするためにヒートガンを使うんですが、インナーが燃えたり溶けたりしたら困るのと、叩くのに邪魔なので避けています。

そして叩く箇所をヒートガンで触れなくなるぐらいまで熱して塗装を柔らかくしてから、ゴムハンマーでガッツンガッツンツメ部分を叩いていきます。爪が曲がってくると折り目の頂点で塗装が割れるので、割れないように塗装層を柔らかくするのがヒートガンの役目です。もちろん熱しすぎも危険なので程々に。

鉄板を叩くということは全体が歪んでいく可能性もあるわけです。なるべくツメのエッジ部分を叩いていくんですが、本来は塗装が傷つかないようにゴム板を挟んだりして、フェンダー外側に当て板をして叩いた方がいいかもしれません。じゃないと若干ですがフェンダーそのものが外に膨れてきます。気持ち程度ですが軍手を二重にした左手で押さえて右手でハンマーを振ります。