くっそ暇なゴールデンウィーク、みなさまいかがお過ごしでしょうか。
暇を持て余しているなら、いつもだとできない手間のかかることを時間をかけてやってみるのも良いと思います。今回から書いていくのはまた長編シリーズで、しかも作業時間としては「いったい何十時間使ったのかわからない」苦労したDIYです。それが内装のシート張り替え(正確にはシートカバー作成)。
これを機会にぜひ内装、特にシートの張り替えにチャレンジしてみれば愛車への印象は大きく変わることと思います。ちなみに僕のようにダイヤモンドステッチで模様まで入れると、ゴールデンウィーク作業したぐらいでは完成しないかもしれません。笑
このページのもくじ。
■目指せロールスロイスということで、上質おしゃれ路線の内装を仕立てる。
このブログを読んで頂いている方からすると、数年前のある時から急につゆだく(うちのローバーミニ)の内装が黒からベージュとブラウンのツートン、しかもステッチの効いたシートに変わったことにお気づきかと思います。
ミニはcabanaのシートカバーがメジャーで、それを買ってしまうのが楽でコスパも良いと思います。でも僕はダイヤモンドステッチとツートンがやりたかったので既製品では満足できず、もちろんこの内装も全てDIYです!
つゆだくはスポーツパックという限定車で、ボディカラーは3色のバリエーションがあるのですが、全て内装は共通でブラックにステアリングだけベージュの差し色があるのみ。スポーティと言えばスポーティですが、僕は「目指せロールスロイス」を掲げて上質おしゃれ路線で仕上げていきたかったので全てやり直すことに。
ちなみに元のブラックのシートも丁寧にメンテナンスしていたので割れもなく、剥がして捨てるのはもったいないと考えたので張り替えではなくシートカバーとして上から被せられるように作成をしています。
我ながらこの内装にはめちゃくちゃ満足しているのですが、その分めちゃくちゃ時間がかかっています。今回はこの作成方法を長々と書いていきたいと思います。笑
■まず家庭用ミシンでレザーを縫う方法を確立する必要がある。
さて、とりあえず作ると言ってもまず技術開発から必要です。
レザー用ミシンは持っていない(買うと10万以上)ので、愛用の普通家庭ミシンで縫っていくことを前提とします。生地は厚手で、糸も頑丈で太いジーンズステッチ。これまではハンドソーイング(手縫い)だったのでそれでも縫うことができたのですが、今回はダイヤモンドステッチ(飾り縫い)まで入れようとするととても手で縫おうと思う距離ではありません・・・
そしてダイヤモンドステッチの各ダイヤ模様をふっくらと膨らませ、かつシートカバーとしてぴっちりと張りを持たせるためにはクッションをしこむ必要があります(これがないとシートカバーがたるんで後付け感とチープさがキツくなる)。
表面のレザー生地(フェイクレザーですが)はこれまで内装各所に使用してきた生地と同じものを使います。生地はこちらです。
ただし裏面が粘着性になっていないタイプの生地を購入。裏側が粘着性になっているとミシンで生地を送る(1針ずつ縫う際に生地が移動すること)ことができなくなるためです。
■問題はクッション素材だった。まずはいくつか固さと厚さの違うクッションを試してみる。
クッション素材の選定ですが、柔らかすぎるスポンジだとヘタるのが早いかと思い、固めのウレタンをネットで購入してみました。ひとまずミシンで縫ってみます。
結果はこんな感じ。上の方を適当に縫っていますが、固いがゆえに縫い目が深い谷にはなりませんでした。そしてそれどころか、触っていると縫い目にそってウレタンが千切れます。。これじゃあダメそうですね。試しに小さい面積のものを買ったとはいえ結構高かったのに・・・
そして次に購入したのがいわゆるいつもの柔らかいスポンジ。フルーツの段ボールでそこに敷かれていたりする、食器洗い用スポンジよりちょっと柔らかいアレです。ユザワヤで大きな面積で厚み10mmのものが¥1,000ぐらいで売っていました。
これでレザーとスポンジを重ねて縫ってみます。しかし大問題が。
かなりゆっくりとしたスピードで針を進めれば家庭用ミシンでも針が通ることはわかったのですが、スポンジが滑り止めになってしまって生地が送れません。ミシンは勝手に生地が進んでいくことで縫っていきますが、生地が滑らず送れない(進まない)ことによって全く同じ位置にひたすら針が突き刺さることに。手で強制的に送るのも難しく、縫い目の幅が不均一になったり、そもそも幅が短いです。
■滑らないクッションを縫う。この技術ブレークスルーがあったからこそ作れた。
やはり家庭用ミシンでは無理か・・・と諦めかけていたのですが、ある時僕はふと思いついたのです。
「そうか・・・レザーとクッション加えて、さらに布を重ねて縫えば良いんだ!」
この辺りから僕の頭の中ではプロジェクトXの地上の星(中島みゆき)が流れ始めますが、上からレザー+クッション+布地(丈夫な帆布)と重ねて縫うことで、ミシンがスムーズに進むようになったのです。
このブレークスルーによっていよいよ本格的にカバー制作に取り掛かることができるようになりました。ただここまでで既に構想から1年、技術開発に3ヶ月かかっています。笑 次回から縫製の記事はこちら。