ローバーミニ:あれ、窓が開かない・・・。ウィンドウレギュレーター周りを修理する。~錆びたチャンネル取り外し編~

今回はローバーミニのウィンドウガラスが動かなくなってしまったので、DIYでレギュレーターの掃除とウィンドウチャンネルの交換、それと合わせてドア内部で発生した錆の修理を行なっていきます。前回までにウィンドウとレギュレーターをドア本体から取り外す分解作業まで完了したので、今回は取り外したウィンドウガラスのチャンネルを外すところから作業したいと思います。

前回までの記事はこちら。

ローバーミニ:あれ、窓が開かない・・・。ウィンドウレギュレーター周りを修理する。~レギュレーター分解編~
今回はローバーミニのウィンドウガラスが動かなくなってしまったので、DIYでレギュレーターの掃除とウィンドウチャンネルの交換、それ...つづく

取り外したウィンドウチャンネルは錆でボロボロ・・・。なぜ錆びやすい金属を裸のままこの箇所に使ったのかと問いたくなる。

ひとまずレールから外して窓枠から抜き出せた窓ガラスがこれ。ガラス板の下端には前後2箇所のチャンネルがついているはずですが、後ろ側は錆びて変形した結果外れてしまっています。前方のチャンネルは残っていて正常に機能はしていますが錆だらけでいつ腐り落ちるかわからない感じ。それとガラスも窓枠から出ない水面下の部分はめちゃ汚いですね。。

ローバーミニのウィンドウレギュレーター分解

なんでこんな錆びたり汚れたりするのかというと、ガラスを伝って付け根から雨水がドア内部に流れ込むからです。なるべく密閉性を高めて水が入らないようにするためにガラスの付け根には水切りのゴムレールがありますが、もちろん全部の水分を防ぐことはできないですし、水切りゴムも劣化して硬くなるとガラスとの間に隙間ができたりして水切り性能が下がります。

この構造は現代のクルマを含めてそういう構造なのですが、どうやらローバーミニはドア内部の水の排水性が悪いのと、そもそも防錆塗装の質が悪いので錆びやすいらしいのです。そんな水が貯まってしまうレベルでは浸水しないのでしょうが、内部が乾燥するほど換気もできないので湿気で錆びるんだと思います。

ウィンドウガラスに残っていた前方側のチャンネルだけでなく、下の画像のように外れてしまっていたドア後部のチャンネルも錆によりボロボロ・・・。左は金属のチャンネル本体、右はガラスと金属チャンネルの間に挟まるゴム板です。

ローバーミニのウィンドウチャンネル錆

サビ修理にあたってはとにかく錆びて壊れた部分は交換、ドア内側がやや錆びているようなら進行を止める薬剤を塗布します。ドアを含めたボディ側が錆だらけでもう穴が開きそうなのであれば、板金で腐った部分を切って新しいパネルを溶接するしかありません。そうなると再塗装も含めて大工事です。

ただそれだけではいったん修理にはなりますが、また同じような状態になってしまうかいずれ悪化してしまいます。なので錆を予防するために錆防止剤を塗布するのと、それと排水換気性能を高めるために排水穴を追加するというのがよくある対策のようですね。今回は錆を進行性の赤錆から黒錆に変えて錆の進行を止める薬剤を使いますが、その後の錆防止材は準備していなかったので、またいずれ行うことにします。

ウィンドウレギュレーターの方は思っていたより状態に異常なし。古いグリスのクリーニングをすればスムーズに動く。

前回の記事から続く分解作業までで正直結構疲れたので、いったん休憩がてらレギュレーターの掃除からいきます。下の画像が取り外したレギュレーター。ワイヤーか何かで巻き上げてドアを上げ下げしてるのかなーと思っていたら、2本の腕でヨイショっと重たいドアガラスを持ち上げたり下げたりしているです。気持ちはわかるけど結構シンドイ構造だなと感じます。

ローバーミニのウィンドウレギュレーター分解

ドアウィンドウの上下動作が渋い場合、このレギュレーターの歯車あたりの動きが硬いこともあれば、チャンネルのレールと腕の接続部が硬いこともありますし、今回の僕のように錆が摩擦になっていることもあります。そしてこの薄っぺらい歯車で腕が平行に上下するよう駆動させるのですが、動きが硬いときに力づくでハンドルを回してしまったりすると、この薄い歯車が変形したり飛んでずれてしまったりするそうです。

それと歯車の回転軸にゼンマイのバネが付いていますよね。窓を下げる時はこのバネを同時に巻くことになり(その分動きが重いはずだが、ガラスの重量がかかるので簡単に回せる)、逆に窓を閉めるときには巻いたバネが回転をアシストしてくれます。ウィンドウガラスはかなり重量がありますが、この仕組みのおかげで小さな力でも重たいガラスを持ち上げて窓を閉めることができるということですね。よくできてるなぁ。

取り外したレギュレーターを単体で動かしてみると動きはわりとスムーズ。これは掃除してそのまま使います。古いグリスを落とすために、重ねて敷いた紙の上でパーツクリーナーを吹いてペーパーで拭き取ります。各歯車とその回転軸、腕の先端接続部はしっかりと古いグリスを落としました。それと外周には粘土が残っているので手で取り除いてしまいます。

綺麗になったら取り付ける前に新しいグリスを塗ります。各歯車の回転軸は指が入らないのでシリコングリスをスプレーします。

ローバーミニのウィンドウレギュレーターグリスアップ

歯の部分はウレアグリスを指で塗り込んでおきます。無駄に大量に塗りすぎると後でドア内に落ちて水抜き穴から流れ出てくるので歯の部分に薄くぬるだけで大丈夫なはず。モリブデングリスだとこういった水に濡れる箇所は流れてしまうので、耐水性のあるグリスを使う必要があります。

それと画像はないですが腕の先端部分も洗浄しておきます。

ローバーミニのウィンドウレギュレーターグリスアップ

というところで結構疲れたので今日はここで作業終了!としました。窓ガラスを取り去ったままなので屋外駐車だとちょっとそのままにしておくわけにはいきませんけどね・・・。その場合は内装を分解してドア内部を覗き込み、原因を特定して先に部品注文をしてから、一息に交換作業をしましょう。僕は今回とりあえず分解してしまったので、これから部品注文します・・・。

ウィンドウチャンネルの交換部品はただ金属板を曲げただけなのに思ったより高価。そしてさらに値段が高くともステンレス製を選んだ方が良さそうだ。

交換部品として今回はウィンドウチャンネルとガラスを挟むゴムを注文します。あの錆びて腐ってしまった部品ですね。車両片側の窓ガラスに対して前後2箇所付いていたので、部品は2セット必要になります。車1台分だと4セット必要ということです。

そして気をつけなければならないのがチャンネルには向きが2種類あるということ。ガラスに対して前方と後方で部品の種類が違いますので購入時は注意が必要です。ちなみに左のウィンドウガラス前方と右のウィンドウガラス後方、それと左の後方と右の前方は同じ部品です。下の画像が新品のチャンネルですが、ガイドレールが付いている位置というか向きというかが違うのがわかります。

ローバーミニのウィンドウチャンネル

チャンネル本体以外にも買うものがあります。それはガラスをチャンネルで挟む際に間に差し込むラバー。こんなゴム板ぐらいホームセンターで買った方が安いわと言いたくなりますが、半分折に曲げて使うのと屋外に近い条件で使うことになるので劣化しやすい環境です。すぐに劣化してゴムが割れたら目も当てられないので、ここは大人しく耐候性のある専用品を購入。これに前後や向きはないのでチャンネルの合計数と同じだけ買います。

これらの部品が結構いい値段していて、通常品のチャンネルがひとつ4,500円×2、ラバー(レギュレーターチャンネルシール)が630円×2枚。片側の窓で2セットなので合計1万円以上します。単純な金属板のくせに。。

そして気をつけて欲しいのが材質。通常品は元々の部品と基本的に同じ材質なのでいずれはまた同じように錆びることが予定されています。レール部分は摩擦するので錆止め塗装も向きません。そこで売っているのがステンレス製のチャンネル。お値段なんと+2000円のひとつ6,580円。。ニッチなパーツとはいえ、チャンネルセットだけで14,420円か、、、そう思ったとき、左右ドアとも交換作業をしてしまおうと考えていたのをやめて、いったん左側だけ作業することにしました。笑

でも高いとはいえ交換するならステンレスをお勧めします。もちろん通常品でもすぐ錆びるわけではないですが、長く乗るならいずれまた交換が必要になってしまいますし、作業的にも面倒なところです。今回は意外にもAmazonでミニ専門店から出品があったのでこれを注文しました。

難関その3。古いウィンドウチャンネルがガラスから外れない。力技はガラスを割りそうで怖いしな・・・。

続いて古いチャンネルを外すのですが、これもまた苦労しました。いつも素手作業派の僕も錆は鋭利で手を切る可能性が高いので利き手だけ軍手を。もう一方の手はガラスをツルッと落として割ってしまわないように素手です。

ローバーミニのウィンドウチャンネル取り外し

簡単に外れてはいけない部品なのでがっちりハマってますし、古くなって固着もしてます。錆がゴム板に食い込んでびくともしないので、捨てる部品と割り切ってチャンネルをマイナスドライバーなどで広げていきます。といっても硬いのでドライバーを突っ込んで捻って板を少し持ち上げては1センチ隣へ移動をコツコツ繰り返していきます。ガラスとゴムの間にドライバーを突っ込んでテコをやるとガラスが欠けたり割れたりする可能性があるので、必ずゴム板とチャンネルの間にドライバーを突っ込んでください。

ローバーミニのウィンドウチャンネル取り外し

チャンネルの片側が浮いてもまだ外れず、仕方ないので裏返して同じように板を起こしていきます。これをずっと繰り返していたら少しだけチャンネルがゴム板から動くように。でもゴムがガラスに強力に固着しています。仕方ないのでゴムとガラスの接合面にシリコングリスを少し吹いたりしましたが、やはり手では動かないですね。

ローバーミニのウィンドウチャンネル取り外し

結局焦ったくなってハンマー(というかレンチ)で軽く叩き出すことに。軽くといっているのは土台がガラスなので割れるのが怖いからです。ガラスの面にレンチを当てて、ガラス上を滑らせるようにチャンネルをコツコツ叩くとようやく外れました!たぶん先にドライバーでチャンネルの板を起こしていなかったら、こんな簡単に叩いて外れたかどうかわかりません。

ローバーミニのウィンドウチャンネル取り外し

周りに散らばっているのはドライバーでこじってたときに落ちた錆のカスです。。もはやボロボロのチャンネルとガチガチに硬化したゴムは捨てます。

ローバーミニのウィンドウチャンネル取り外し

チャンネルはドライバーで広げたのでこれぐらい溝が広がっていますが、外側よりもゴムと密着していた内側の錆がひどいようですね。なぜ・・・。

ローバーミニのウィンドウチャンネル取り外し

これでようやく古いチャンネルが外れ、分解作業自体は終了です。いやー、地味ですが結構時間かかりましたよ。次回は新しいウィンドウチャンネルの取り付けをしてレギュレーターともに組み立てる作業に行きたいところですが、ドア内部にチャンネルから落ちた錆が散らばっているのでその掃除と、ドア内部の錆対策もしておきたいと思います。まだまだかかりそうだ・・・。

ローバーミニ:あれ、窓が開かない・・・。ウィンドウレギュレーター周りを修理する。~チャンネル取り付けと仕組みの理解編~
ローバーミニのウィンドウガラスが動かなくなってしまったので、DIYでレギュレーターの掃除とウィンドウチャンネルの交換、それと合わ...つづく