ローバーミニ:ガタ付き修理最終章。タイロッドを新品に交換する。~ステアリングラックエンドブーツ取り外し編~

なんやかんやで時間がかかっていた、コツコツと直しているステアリングのガタつき。これまで片っ端からステアリング機構の部品状態を見て修理をしてきましたが、今回が最後の交換箇所であるタイロッドになります。新品のタイロッドを入れるのに合わせてステアリングラックエンドブーツも新品を取り付けたいと思います。

というか車検前なのでもう4ヶ月ぐらい前に作業していたのですが記事に上げていなかったので今更ですが書いていきます。

ステアリングのガタつき自体は消耗部品たちの摩耗なのでどうしようもないというか、乗れば乗るほどいつかはメンテナンス時期がやってくるものなのでマズいことではありません。僕はズリハン(据え切り)はしない、というか重たくてできないのですが、駐車などのタイミングで力尽くにステアリングを切ってしまう人はこの摩耗が早く進みやすいはずです。ただつゆだく(うちのローバーミニ)はそもそもスポーツパックでタイヤの幅が広いため、ステアリング抵抗が大きくどうしてもステアリング機構の消耗が激しい可能性はあります。

タイロッドだけ交換すれば良いのか、ステアリングラックごと交換が必要なのか見極めてから部品購入する。ステアリングラックに問題があると結構大変。

元々、以前タイロッドエンドやステアリングラックブッシュの交換を行った際に気づいていたのがタイロッドの摩耗。具体的にはタイロッドの付け根にあるボールジョイントの摩耗です。内部が磨耗したことによってガタつきができ、それがステアリングの大きなアソビにつながっていました。

ただタイロッド(ステアリングラックのシャフトとタイロッドエンドをつなぐポール)だけを交換すればいいのか、ステアリングラックごと交換が必要なのか見極めないとどちらで部品購入するか決まらず、ちょっと後回しになっていました。ステアリングラックごと購入すると部品代は高くつきますが、タイロッドもついてきます。もしタイロッドだけ購入して交換し、ガタつきが直らずラックごと再度交換することになると先に購入したタイロッドが無駄になってしまいます。

ステアリングラックに問題があるケースというのは、

  • ハンドルの軸であるコラムシャフトとの接続部分のスプラインの山がなくなりガタつきになっている
  • ハンドルの回転をステアリングラックシャフトの横移動に変える歯車が磨耗してガタつきになっている

の2種類が発生していたらラック交換です。ステアリングラックアッセンブリーは基本的に分解修理が不可能(専門の工場でリビルドしてもらわなければならず、基本的にラック内の個別パーツも売ってない)なのでアッセンブリーで交換が必要になります。基本的にはラック交換になることはないのですが、他の部分を悪い状態にしたまま無理に使い続けるとステアリングラックもダメになる可能性があります。こうなると交換にはサブフレームの一部マウントも外したりせねばならず、随分大変な作業になります。

今回は先にステアリングコラムを分解してスプラインの山の状態まで確認できたので、ステアリングラックの交換は必要なくタイロッドだけ部品購入して交換作業となりました。

ひとまずウマをかけてタイロッドエンドを外す。タイロッドエンドは何回転(ねじ山を何山)回して外れたかを記録しておく。

ひとまずジャッキアップしてウマ(リジットラック)にフロントを載せるところから。以前ステアリングラックブッシュの交換作業でタイロッドを外しているので、それと作業手順は同じです。後ほどタイロッドを蹴り飛ばすように力をかけるので、もちろんジャッキアップだけで作業をしたらかなり危険。平らな場所でフロント両輪にしっかりとウマをかけての作業となります。

ローバーミニのジャッキアップ

サクサクっとホイールを外して、タイロッドエンドの分解へ。タイロッドエンドは以前交換した新品部品です。特に固着もなくタイロッドエンドプーラーでサクッと外せます。

ローバーミニ:ステアリングのガタ付き修理。タイロッドエンドを交換する。~前編~

ローバーミニ:ステアリングのガタ付き修理。タイロッドエンドを交換する。~後編~

タイロッドエンドのロックナットはタイロッドエンドがハブに繋がっている状態で外すとタイロッドが動かないので力をかけやすいです。プーラーで分離してしまった後でも、ハブにナットで仮止めした状態でタイロッドエンドを緩めれば問題なし。僕のように謎の素手派だと急にナットが緩むせいでホイールハウス内のどこかに手の甲をぶつけて出血しますので、軍手着用をお勧めします・・・。

ローバーミニのタイロッドエンド分解

ロックナットがゆるんだら、そのままタイロッドエンドを回してはずします。ここで参考までに何回転で外れたかを記録しておきます。タイロッドが同じ製品であれば同じ全長なので、同じ回転数だけタイロッドエンドを差し込めば同じトー角を維持できるというわけです。しかし今回は別製品を使うので全長が異なるかもしれず、よって参考までに記録しておきます。

ローバーミニのタイロッドエンド分解

タイロッドエンドが外れたらロックナットも外します。すでにゆるゆるになってしまったボールジョイント部分がスルスルと回ってしまいロックナットが外れないので、タイロッドを強く掴んでロックナットを回しました。

ステアリングラックエンドブーツを外す。まだ問題はないけど、予防修理としてここは新品に交換だ。

続いてステアリングラックエンドブーツを外していきます。ブーツのタイロッド側(外側)のタイラップをニッパーで切り落として、同様にステアリングラック側(奥側)もタイラップをニッパーで切り落とします。奥側は寝そべって覗き込まないと見えない暗い奥にあります。下の画像はタイロッド側。

ローバーミニのタイロッドエンドブーツ取り外し

以前ステアリングラックブッシュを交換したときにこのステアリングラックエンドブーツも外しています。その時の記事に細かい作業は書いているのでそちらを参考にしてください。

ローバーミニ:ステアリングのガタつき原因としてメジャーなステアリングラックブッシュを交換する。これでガタ付きは治るか。~交換部品価格とブーツ分解編~

タイラップが外れたらブーツを引っこ抜きます。タイロッドの滑りが悪ければ適当なスプレーグリスなんかを吹くとスムーズに外れます。

ローバーミニのタイロッドエンドブーツ取り外し

外れたラックエンドブーツの状態は、まだ使えますがひび割れは入っていますね。ラックエンドブーツはドライブシャフトのブーツと異なり回転はしないですが、一方で伸びたり縮んだりという動きをさせられるので結構負荷がかかります。

ローバーミニのタイロッドエンドブーツのひび割れ

伸び縮みを繰り返されるとダメになってくるのが蛇腹部分の谷。外した部品は穴まで入っていませんがクラックは発生しています。そしておそらく一番切れやすいのがタイロッド側に繋がる細い部分の付け根です。

ローバーミニのタイロッドエンドブーツのひび割れ

これまで僕が乗ってからは一度も交換していないのでさすが日本製ゴムの品質と褒め称えたいと思います。でもせっかくステアリング周りをフルメンテしているので、交換時期が近くなってきているラックエンドブーツも新品に交換してしまいます。これは切れていると下回り検査で発見されて車検が通らなくなるため、車検が控えていることのタイミングで交換しておきたいというのもあります。

次回はタイロッドを外してガタつきの状態を見ていきたいと思います。

ローバーミニ:ガタ付き修理最終章。タイロッドを新品に交換する。~ステアリングラックエンドブーツ取り外し編~
なんやかんやで時間がかかっていた、コツコツと直しているステアリングのガタつき。これまで片っ端からステアリング機構の部品状態を見て...つづく