ローバーミニ:ステアリングのガタ付き修理。タイロッドエンドを交換する。~前編~

ステアリングにガタ付きがあることがわかったので、今回はDIYでフロントタイロッドエンドを新品に交換する作業手順を書いていきます。デルファイ製の新品に交換することでボールジョイント部のガタ付きを解消することが目的です。

前回つゆだく(うちのローバーミニ)のフロントをジャッキアップして点検したところ色々と修理が必要なことが発覚してしまいました。幸い交換用部品はそれぞれ用意していたり、たまたま家にあったので、ひとつずつ作業をクリアしていけば良いということですね。

前回の記事はこちら。

ローバーミニ:フロント足回りトラブル続出!ステアリングガタ、テンションロッドブッシュ変形、そしてナックルジョイントブーツ破れ・・・
フロントはリジットラックに乗せてホイールを外すと一通りのチェックができます。今回はステアリングのガタつき、テンションロッドブッシ...つづく

■まずはタイロッドエンドとハブを固定するナットを外す。供回りするのでジャッキで抑える必要あり。

さぁ色々メンテナンスポイントはありますが、今回はサス周りでいうとロワーアーム以外は分解する感じですね。笑 1トラブルずつ解決していくので、まずは元々の目的であったステアリングのガタつきを改善するために、少なくとも既に緩くなってきているタイロッドエンドの交換からいきたいと思います。

今回作業の画像は車体右前輪です。

ローバーミニのタイロッドエンド交換

ひとまずタイロッドエンドとハブを接続するナットから外していきます。サイズは11/16インチです。

タイロッドエンドはただナットを緩めても外すことはできません。まず中身がボールジョイントなのでナットがいったん緩んだ後、ボールから生えているボルトと一緒に供回りをする場合が多いです。するといくらナットを回してもボルトから抜けないので、ジャッキでタイロットエンド接続部を下から押し上げて供回りするボルト部分を押さえます。最低限供回りを防げる程度に惹起を押しつけられれば良くて、不必要にジャッキを高く上げると車体がウマ(リジットラック)から浮いて不安定になるので注意です。

これでナットが外れます。

■ボールジョイントなのでセパレーターの出番。ナットやボルトを痛めないように注意が必要な作業。

でもナットが外れても基本的にタイロッドエンドがハブのボルト穴から抜けません。ここはすり鉢状の穴にすり鉢状のボルトが締め込まれているので、ボールジョイントセパレーター(プーラー)で力をかけて外す必要があります。

ちなみにタイロッドエンドセパレーターの使い方はこちらの記事に書いています。

ローバーミニ:フロントサスペンションをスプリングに交換する。~アッパーアームとセパレーター編~

ちなみに悪い例の画像で申し訳ないのですが、下の画像のようにセパレーターの先端をナットの中心にかけるのはやめた方がいいです。もしかなり力をかけてもジョイントが抜けない場合に、ナットの中心部分(つまりねじ山)を潰すことがあります。僕は以前やってしまって1個ナットをダメにしました。ナットを覆うように深くかけるようにしています。

ローバーミニのタイロッドエンド交換

なのでセパレーターを使うときに大事なのは3つです。

  • ナットの中心穴にセパレーターをかけず、深くナットを覆うようにかける(ナットのねじ穴が潰れると再利用できなくなる)
  • ボルトに直接セパレーターをかけず、外したナットをナット深さ半分ぐらいで締めてからナットにセパレーターをかける(ボルト先端が潰れるとナットが通らなくなるのでタイロッドエンド自体が再利用できなくなる)
  • ジョイントは突然外れるので、セパレーターの下に手足やスマホなど置かない(突然重たいセパレーターが落ちるので、iPhoneなら一発で割れる)

使っているのは安物のこれですが、とりあえずこれまでは特に問題なく作業できています。

■僕が初めて交換する部品なので、案の定タイロッドエンドは固着していた。

セパレーターを使って、心臓に悪くバキンとタイロットエンドのハブ接続部を外したら、タイロッドそのものからタイロッドエンドを外しにかかります。

タイロッドエンドはトー角を調整するために、つまりタイロッドエンドのねじ込みの深さによって直進安定性を調整するために、タイロッドエンドと、その位置を固定するナットで共締めになっています。

ローバーミニのタイロッドエンド交換

タイロッドエンド側にもレンチがかけられるようなスリットが入っていますが、これは製品によって径が違うかもしれません。固定用のナットは19mmスパナでいけました。ここはソケットやメガネレンチが使えないのでU字状のスパナが必要になります。タイロットエンド側は掴み幅が広いのでモンキーレンチでいきます。

クラシックミニはインチで工具を揃える必要があるのでそのへんのホームセンターでは工具が売ってない場合があります。僕の場合はスパナがホームセンターで売ってなくてナットの実寸測定して買ってきたのが17mm-19mmのスパナ。ソケットとメガネレンチはインチのものをAmazonで買って揃えています。

逆にスパナは17mm-19mmがあればこれまでは足りていて、残りはモンキーレンチで対応しています。モンキーレンチはボルトを舐めやすく、強いトルクが不要な箇所でのみ使用しています。レンチを使うのは今のところこのタイロットエンドの固定ナットと、あとアッパーアームシャフトの両端ボルトぐらいでしょうか。

ボルト固着時のラスペネ

とりあえず力を入れてみて全く動かなかったのでラスペネの出番です。これは錆び付いたりして固着した箇所に吹き付けると浸透していき、固着が取れやすくなるよというスプレー。便利ですし効果があります。ネットで購入するならAmazon Prime前提ですが送料がないAmazonの方が安く買えそうです。

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アッパーアームシャフトの両端ボルトもこれのおかげで外れました(というかそのとき外れなくてこれを買いました)。

前置きが長くなってしまいまいたが、次回はタイロッドエンドを外して新品に交換する作業を完了させたいと思います。

ローバーミニ:ステアリングのガタ付き修理。タイロッドエンドを交換する。~後編~
ステアリングにガタ付きがあることがわかったので、今回はDIYでフロントタイロッドエンドを新品に交換する作業手順を書いていきます。...つづく