ローバーミニ:リヤサスペンションをラバーコーンからスプリングに交換してみる。~後編~

さてリアのラバーコーンをスプリングに交換する最終回です。あとは取付けて戻すだけなので作業難易度は高くないと思うのですが、車高調整が面倒なところですね。車高はスプリングによって伸縮が異なるので同じハイローキットを使っていても一概に何mmにセットすれば良いとは言えません。

前回までの記事はこちら。

ローバーミニ:リヤサスペンションをラバーコーンからスプリングに交換してみる。~前編~
もはや車検通さなすぎて廃車にしたのでは?と思っている方もいるかもしれませんが、そんなことはアルマーニです。そんなブランドものは買...つづく
ローバーミニ:リヤサスペンションをラバーコーンからスプリングに交換してみる。~中編~
さて前回までにようやくラバーコーンにアクセスするところまできましたが、古い車というのはサクッと想定通りにいかないものです。という...つづく

■部品の組み込み順序を間違えないように。特にラバーの組み込み位置。

ハイローキットとスプリングを設置していきます。改めて下の画像で組み立て順を確認しておきます。上から順にナックルジョイント、ストラット(ハイローキット) 、スプリング、そしてラバーです。画像の上に来ている方が車体では前方を向くことになります。

それと組み込んでいく前に、固着を防止するために各所にグリスを塗っておきます。今回ハイローキットは新調したのでナックルジョイントのカップ内には最初からグリスが封入されていました。

で、下の画像の通り、先にラバーはスプリング受けにはめておきます。これも固着して後々剥がれなくなると嫌なのでウレアグリスを塗っておきました。結構スプリング受けとラバーのサイズがピッタリなので事前にはめておいた方が、後から取り付けてズレてしまう(ゴムの破損につながる)より安全そうです。

ラバーをはめ込んだ後の画像なのですが、結構厚みがあるが故にスプリングがハマるであろう外周の溝を埋めてしまっており、スプリングが浮いて外れてしまわないか心配ですね・・・一応外れないように受け皿の中心が山になっていますが・・・

■鬼門か?膝でブレーキドラムを持ち上げながら、ブラインドでショックアブソーバーの上端にナットをはめる。

さて、スプリングをはめることはできるのですが、隙間が大きすぎてそのままで手を離すとガタッと外れてしまうはずです。下の画像はまさにその状態で、スプリングが落ちかけていますね。

なのでスプリングをストラットとボディ側に正しくはめた状態でブレーキドラムを持ち上げて(つまりスプリング周りの隙間を縮める)、手を離してもスプリングがガタッと落ちないように維持します。

これを行う前の準備として2つ、

  • ショックアブソーバーの下端がしっかりナットで締めて固定されていること(ショックアブソーバー上端を固定すると下端のナットはソケットを入れるスペースがなくなる)
  • ショックアブソーバーを伸ばし切っていること(でないと上端がねじ穴に届かない)

この状態で作業してください。車体をウマにかけておいてブレーキドラムをジャッキアップする人が多いかもしれませんが、

①僕は座った状態から自分の膝でブレーキドラムを持ち上げつつ

②手でスプリングとストラットを正しい位置に整え、

③さらにブレーキドラムを持ち上げてショックアブソーバーの上端がリアトランク内の穴に刺さったら、

④リアトランクに手を伸ばし手探りでブッシュとワッシャー、そしてナットを仮止めします。ナットを少し回したら、これで膝を外してOK。

⑤立ち上がってトランクからショックアブソーバーの上端をレンチで締めて本固定します。

アクロバティックな技ですが、1人作業だとこういうやり方も必要になります。。誰かに手伝ってもらうのがベストですね。上の画像はショックアブソーバーまで固定できたところです。

■最後に車高の調整が必要。結局タイヤをつけて地面におろさないとわからない。

しっかりとショックアブソーバーを固定し、改めてスプリングが正しく固定されていることを確認したら、左右両側でハイローキットの長さが等しくなるように調整します。定規でも良いのでちゃんと測る必要がありますね。

ホイールを取付けます。結局のところ車高が適切かどうかはホイールをつけて地面に下ろしてみないとわからないのが面倒なところ。そして下ろしてちょっと馴染ませる(可能なら少し走らせるが、ダメなら車体を揺らす)ともうちょっと車高が下がるので気をつけてください。

実際に下ろしてみて、僕は車高が低すぎました・・・まぁもちろん車検を通すための車高をクリアしてないという話もありますが、やっぱりつぶれ切ったラバーコーンと違ってスプリングはいくらでもストロークするので(バネとゴムでは収縮時の反発力特性が違う)、その分だけ段差を越える際にタイヤがタイヤハウスに当たりやすくなります。

これではダメなので、再度ホイールを外し、ジャッキアップし、調整しておろすという作業を繰り返さねばなりません。この点は本当にめんどくせーと思います。笑

■ハイロー調整、2回目と3回目。

ちなみに1度タイヤをつけて下ろした時点でガソリンタンクは元の位置に戻しておきました。この作業をする為にガソリンはほぼ空状態で、よっていずれにせよガソリンの重みを加味した車高調整はできません。

さて、まず車高が低すぎた状態でのハイローの長さを確認します。もちろんハイローを調整する為にはジャッキアップしてホイールを外します。僕の場合は上記画像で測定している間隔で、数字を記録しておこうと思います。最初は32.5mmでした。

これをもう少し広げる必要があるのですが、ハイローを伸ばすと、それ以上に車高が上がる(伸ばした長さだけ車高が上がるわけではない)ので、片側だけ35mmにして下ろしてみます。

まぁ・・・いいかなー。と思ったのですが、車検を控えた整備なので気持ち高めにしておくことに。なので再度ジャッキアップして37mmまでハイローを伸ばします。(3回目)

ちゃんとハイローのロックナットも締めてくださいね。でないとジワジワと車高が下がってくるかもしれません。。

これで下ろしたら指3本入りました!まぁまぁ良いでしょう。片側でハイローの長さが37mmと決まったので、同じように反対側のハイローも37mmにして完成です。

いやー長かった。長かったよつゆだく・・・笑