フェラーリ:まさかの599GTBフィオラノはどーよ!?V12フェラーリの見積もりをとってみる。~見積もりと支払計画編~

今回はサラリーマンでもフェラーリを購入するために、見積もりとローンを含めた支払い計画について金額を見ていきたいと思います。頭金300万円あれば月々6.5万円で購入できるということです。

ここまで色々と書いてきましたが、僕のようなサラリーマンにとって結局スーパーカーは買えるのかどうかが最も重要です。買えないものはどうしようもないので、車種選択においても維持費も含めて購入計画が立つことが大前提になってきます。

前回までの記事はこちら。

フェラーリ:まさかの599GTBフィオラノはどーよ!?V12フェラーリの見積もりをとってみる。~ディーラーに聞いたリアルな維持費用の後編~
やっぱり初めてフェラーリを買う人間、しかも中古で年数のたったフェラーリを買う人間からすると最も気になる故障時の修理費用。前回に引...つづく

■現金一括で買えないサラリーマンはストックとフローで資金計画を練る。

最近色々なお金の計算をすることが増えました。お金の話をするのは日本人の美徳ではないのかもしれませんが、でもお金の計算をちゃんと行えて、かつ貯めることよりも適切に使うことができる人間の方がいずれ好きなものを購入できると考えています。もちろん何に使ってるか不明確な浪費で「お金がない」を連呼しているようじゃ論外です。

自粛でお金を使う機会自体減っていますが、一方で無駄なネットショッピングなど、使うタイミングでは財布の紐が緩みがちな気もします。なので最近はざっくりとキャッシュフローの管理をしており、まぁ家計簿をつけているということをやっているわけですね。

その中でいくらのクルマだったら購入して維持していくことが可能なのか、その予算感が見えてきます。要は貯金から頭金にいくら使えて(ストック)、毎月はいくらローンを払えるのか(フロー)というのが予算です。さらには購入した後いつか売却することを考えて、売却時に無一文になってしまわないような(次のクルマが購入できるよう)計算も必要です。

  • 購入してから売却までに価格相場が下がらない車種を選ぶこと
  • 残価設定ローンで購入して支払いがカツカツだと売却時にキャッシュが残らなくなるので、次のクルマの頭金ができるような資金計画を立てること

クルマは一生モノにしたいですが、現実的には買い替えながら乗っていくことが必要です。なので1台を買って乗って売った最後に力尽きるわけにはいきません。

■フェラーリの価格残存率、つまり残価設定金額は異常に高く、スーパーカーの中ではかなり購入しやすい謎現象。

高級車において1点目の価格相場下がらないことはとても重要です。逆にこれを気にせず好きなクルマを新車で買えるようになったら真の金持ちです。笑 メルセデスのセダンを新車で乗り継いでいる近所の家はマジで金持ちだと思いますよ。笑

フェラーリというと雲上ブランドですが、その一方で値下がりしないブランドでもトップレベルにあるため、売却時に高く売れる分だけ資金計画上は購入しやすいと言えます。何を言っているかというと、例えば2000万で購入したフェラーリが3年後で75%の価格で売却できるとします。するとローン金利や維持費を無視すれば単純に3年で500万払ってフェラーリに乗っていたということですね。

でも同じ2000万で購入した別のブランドの車が3年後に50%の価格で売却できたとすると、3年で1000万払ったことになります。つまり価格残存率が50%とすると、先ほどのフェラーリと同じ「3年で500万しか払えない予算」なら1000万円のクルマまでしか購入できないということです。逆に同じ3年で500万という予算であれば1000万円の他ブランドのクルマを買うよりフェラーリを購入した方が夢を観れるということです。清水草一氏が言っているのはこのことで、残花設定ローンの登場によって月々の支払額を下げる仕組みができたからこそ可能になった技とも言えます。

実際は車体の総額に対してローン金利がかかるので、2000万と1000万では金利のかかり方が全然異なるわけですが、それを加味してもやはりフェラーリはお得と言えます。

■認定中古車でも驚異の3年で75%の価格残存率。でも実際は車両本体以外の支払額も大きい。

で、特に条件をつけず見積もり時にもらったフェラーリ599のローンシミュレーションを公開しておきたいと思います。ズバリ、12年落ちの中古車が残価設定3年で75%!すげーぞフェラーリ!!笑

実際にはV8フェラーリよりV12フェラーリの方が値落ちが大きいので、V12でもこれぐらいの価格残存率になるのか聞いてみました。それに対しては、まずV8フェラーリの方が安定して価格維持ができることは事実で、それでも599はちょうど75%ぐらいに落ち着くであろうという回答です。

3年乗ってもまだそれだけ価値が残ると正規ディーラーが言っているわけです。もちろん75%が絶対という保証はないのですが、この残価設定率はすごいことです。フェラーリの場合は新車でも中古でも一律3年で75%で出しているようで、それはつまり75%は安定して超えるだろうということですね。今回の車両でいうと、車両本体価格1380万に対して3年後は1035万、つまり差額である実支払額は3年で約350万ということです。

ただしそれにETCやベタつき修理、コーティングなどのディーラーオプション額、そして販売諸費用が合計93万円乗ります。そして金利2.9%だとすると分割払い手数料(つまり金利の総額)だけで100万以上はかかるということです。

これらの金額はもちろん売却価格には乗らないので、結果的に3年で約550万円ぐらい支払えばフェラーリ599を購入できるということになります。やっぱり思ったより金利が高くつくもので、パッと見2.9%という数字でも、それは残価設定ローンであっても支払い総額1500万にかかってくると大きな金額になります。これが金融機関の儲けなのでやはりうまくできてるなーと思います。金利って腹立ちますね。笑

■案外3年で100万円も上乗せされるローン金利。でも頭金300万あれば月々6.5万円でフェラーリオーナーに。

ローン金利を節約しようとすると、

  • 金利の安い金融機関で借りられないかトライをする(1000万ぐらいが上限のところが多いのでフェラーリだと難しい)
  • 頭金を多く入れることで借入金を小さくする

の2つぐらいしかなく、でも頭金300万を入れたとしても頭金0円の時と比較して節約できるのはたった15万円程度。これは総額1500万という支払額に対して頭金100万や300万はそれほどインパクトが出ないということですね。

ただし月々の支払いは15.3万円から6.5万円になります。3年でざっくり550万支払うはずだったうち最初に300万は払ってしまうので、その分は月々の支払いが軽くなるわけです。ただし総額は先ほど書いた通り15万程度の違いにしかならないので、300万の貯金(ストック)を行うのに時間をかけるよりもサクッと頭金なしで買ってしまって毎月15万払う方が良いかもしれません。もちろんそれだけ月々の収入(フロー)に余裕がある人なら、そういうのも良い選択だということです。

僕のパナメーラのローンが月々7万円なので、300万の頭金があればそれよりも負担が小さく購入が可能。かなり現実的になってきました。もちろんそれとは別にメンテナンスや保険といった各種費用もかかりますし、さらに100万ぐらいトラブル用に貯蓄しておくことが必要なんですね。もちろん結構なお金のかかるクルマであることは事実ですが、ちゃんと計算をしたうえで

「人生でフェラーリを手にする」

ということは自分の何かを変えるかもしれません。

■最後に、599を買ったのか?

最後に、残念ながら今回599は購入に至りませんでした。かなり本気にはなったのですが、僕が商談連絡をする前に既に入っていた商談予約が優先で、残念ながらその人が購入してしまった模様。そもそも商談の最後に「優先商談の人が80%購入してしまうと思います」と言われていました。そして「もしその人が購入しなくても3営業日以内に売れちゃいます」とも。

つまりフェラーリで中古というと、本当に目を引くような珍しい車種や珍しい仕様は、見つけた瞬間に即商談・即購入を決めなければ逃してしまうということです。何台も比較して確実に購入しようなんていう考えはなかなか通用しないのかもしれません。特に正規ディーラーでは(認定中古で保証がつくし、一方で少し前の世代を扱うことはレアなので)そうみたいですね。

元々フェラーリを買うような人は複数のクルマを持っているような人が多く、そしてフェラーリという車はコレクター以外はポンポン買い替えていくモノ(だから中古も結構台数が出る)のようです。長く持っていればクラッチ交換を含めて維持費がかかっていくので、オイシイ状態の車両を購入し、オイシイところを乗ったら手放すのがフェラーリの乗り方だと言われました。気に入ったら長く乗る僕には合わない考え方ですが、合理的ではありますね。

だから運命の一台を探すのではなく、良いなと思ったら即買う。でまたいつでも好きなタイミングで乗り換える。確かにそういう人たちが相手なら、僕も気に入ったものがあれば即決するだけの決意を持ってフェラーリを見なければいけないのでしょうね。

そして仕様にこだわる人はそもそも新車オーダー、そしてお金に糸目をつけないオーダーメイドなのでしょう。遠い世界だなぁ・・・