ミニJCW:マフラーサウンドが気に入っている件。特に自分が乗ってない時が良いフェティシズム。

我が家は住宅街の中にあり、家の前の道は基本クルマがすれ違えないぐらいの狭さであることから交通量も少なく、クルマが通れば電気自動車以外は音で気づきます。やっぱり住宅が密集していると音が響くのでしょうね。

そんなうちの前を、非常に心地よい音のクルマが走って行くんです。家の前でちょうどシフトアップして、グッと重低音に変わりつつクラッチが噛む瞬間がわかる感じで。湾岸ミッドナイト風に言えば

「すっげーシブいの」

と言いたくなります。いやすんません、そこまでではないかもしれませんが。笑

でもクルマが過ぎて行った後に、ふと気付いたのですが、つい先ほど出かけて行った嫁が運転しているじょんじょん(うちのF56 JCW)の音でした。笑 いや手前味噌ではなく、本当に自分のクルマだと思わずに「おおっ!」と聞き入ったんです。

■申し訳ないですがスカスカな大音量エギゾーストは好きではないんです。

僕の影響もあって、我が家では外を歩いているときに良い音を奏でるクルマが近づいてくると無意識にどんなクルマか視線を向けます。嫁もです。笑

音でエンジンがわかるほど詳しい人間ではないのですが、やっぱり「これはダメだな」とか「スゲーのが来るぞ!」ぐらいは音でわかります。そんな中でデカイ音を出したいだけで、径の太いマフラーを装着してるクルマは見なくてもわかります。

音をデカくしたいだけなら、小排気の軽バンだってうるさくできます。笑 実際に軽バンや軽トラでマフラー変えてるクルマもたまに見かけますね。でも音量が大きいことと速いことは直接的な相関関係はありませんし、同じようなことですがマフラーを太くすれば速いかと言うとまったくもってNOな訳です。

なので走り屋チューンのクルマがどデカイ音で信号から走り出しているのを見ていると、実際音はデカくても隣車線の軽自動車と同じぐらいの加速なときがあります。笑 いや、別にマフラー太くするなと言ってるわけではないですし、小排気量車はマフラー替えるなと言ってるわけではないですよ。笑

■音楽に好みがあるように、クルマのサウンドも好みだと思う。

もちろん本気で踏んでるわけではないのですが、踏んだところで低速はスカスカでイマイチ加速しないんじゃないかなーと思います。サーキットで高回転をキープして走るなら低回転を犠牲にする選択もありますが、そういうガチな雰囲気には見えないことも多いです。

音は趣味です。なので大音量が好きだからという理由で、”わかってて”太いマフラーつけているなら、それは”心意気”でしょうね。否定するわけでもありません。

ただ僕の趣味は”エンジンの回転と、吐き出される見えない排気と、ミッションがダイレクトにつながっている感じの音”です。もはやこれはフェティシズムであり、両手を広げて感じるアートであり、まぁ変態なわけです。笑 過大に誇張するわけでもなく、何かを押えつけるようでもなく、エンジンの特性を活かしきったような個性のある音が好きですね。端的に言えばムダのない、然るべく発せられるサウンドです。

■エンジンにあったエギゾーストを選ばなければ気持ち良い音にはならない。

僕はエギゾーストは排気管以上でも、排気管以下でもないと思っています。つまりは排気の量と、音のベースの爆発音はエンジン次第であって、それをいかに気持ちよく排出し、結果として気持ち良い音が出るかだと思います。違うエンジンのクルマに同じエギゾーストをつけても音は違うし、合う合わないもあります。

一方で湾岸ミッドナイトのブラックバード(ポルシェターボ)がわざわざ大阪までマフラーを求めて行ったように、エギゾーストには狙った回転数で効率の良い排気を実現するという機能ととともに、ドライバーを気持ちよくさせる音を奏でることも重要だと思うんです。

この2点を踏まえて、僕はエンジンに合ったエギゾーストを選ぶべきと考えています。マフラーから出る音が、無駄なく加速力につながっていくような効率的な背圧を感じさせる、結果として心地よい音がする、という感じでしょうか。マニアックですね。

例えば走り屋カーでよくある2リッタークラスのエンジンに、あまりに太すぎるマフラーを履かせても、音は大きくてもスカスカの音にしかならないんですよね。馬力に関係なく、音は空気の排出量ですから”エンジンの排気量と回転数の掛け合わせ”でしかないので、それに合った排気効率のマフラーを選ぶべきです。2リッターエンジンに大排気のAMG V8エンジンのような太いマフラー、極端に言えばV12エンジンを積んだランボルギーニのように太いマフラーでは、全くクルマに合っていないでしょうね。。

理屈抜きで本当にいい音だなと思うのが、マセラティ(フェラーリのエンジンを搭載)、昔のフェラーリ+木田スペ、そしてアバルトにレコードモンツァでしょうか。アバルトにレコモンは排気量を超越した反則レベルの良い音がして、内装の吸音材がプアなこともあって試乗時にめちゃめちゃ楽しかったですね。

■自分のクルマは外からも音を聞きたい。もはや性癖と言える。

最近のクルマは室内の静音性能が高いので、エンジンやマフラーサウンドが室内では感じづらいなぁと感じることがあります。そう思うと同じ空間にエンジンがあった、つまりミッドシップのぽすけ(ポルシェケイマンS)が本当に懐かしく恋しく思います。

987ケイマンのエンジンには室内の音を抑えるために分厚いウレタンの吸音材と、さらにアルミのエンジンカバーがありました。一度それを全部取っ払って走ったことがあります。シュポーンと吸気音がダイレクト響き、エンジンのすべての音が聞こえるかつてない興奮を得られたものの、一方で窓全開に関わらず20分で熱中症になるかと思うぐらい室温が上昇しました。笑

そう思うと、クルマの音は外から聞くのが一番ピュアだと思います。じょんじょん(F56 JCW)は特に嫁が足として使っているので、”自分は乗らずに”走り去る愛車の音を聴く機会があるのですが、これはとても気持ち良いですね。ターボなのでエンジンの回転落ちが遅く、NAよりも間延びした音(ブォォォォンと長い音)ではあるものの、2リッターの排気量範囲で非常に深みのある爆発音(エンジンの直接な音から近い感じ)を出しています。ビートたけしも自分の愛車を弟子に運転させて、自分は別の車で並走して外から眺めるのが好きといいますから、同じフェティシズムです。笑

シフトアップ時に一瞬深いボンという爆発音を挟むところも好きですね。高回転でアクセル抜いた時のハブリング音はポンポンとポップコーンを焼くような音で、さすがにバリバリという派手な音はしませんが2リッターターボからすると自然に発生しそうな音なので好感が持てます。クルマがわからない一般歩行者からすると「あのクルマ壊れてね?」と思うかもしれませんが・・・笑