僕は総合的に言うとフェラーリよりランボルギーニ派なのかもしれません。今回は最後のマニュアルトランスミッションV12ランボルギーニであるムルシエラゴについてマジで購入検討したので維持費など含めて色々書いていきたいと思います。
元々は曲線の美しさを重んじ、だからポルシェなど曲線的なクルマが大好きなのですが、一方で”スーパーカー”として脳に刷り込まれているのは四角くてベタベタに低い車体なんです。そのベースはフェラーリF40なのだと思いますが、同時にランボルギーニカウンタックもその刷り込みに影響しているのだと思います。
それ以降、フェラーリはF360から曲線的になりました。美しいですね。でもランボルギーニは今でもカクカクでベタベタなのです。THE SUPER CARのイメージから変わらないままなのです。だからこそ圧倒的に(価格ではなく所有する)非現実的なクルマは何かと言われるとランボルギーニだと思ってしまいます。
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■昔のサラリーマンポルシェのように、サラリーマンランボも出てきている?
でもランボルギーニも(他もそうですが)どんどん高価になっていきますし、気がつけば中古価格も値落ちしなくなりまるでフェラーリのようです。良く言えば高く買っても高く売れる資産価値の高いクルマですが、やはりそもそもの資金力がないとまず購入にこぎつけづらいというのはありますね。
V10ランボルギーニであるガヤルドも初期モデルは新車で1700万ぐらいだったと記憶していますが、次の世代のウラカンになって気がつけば3000万に迫ろうとしています。純粋に複雑化したがゆえに製造コストも上がっているのでしょうが、それ以上に利益がグッと乗っている感じがしますね。
それでも尚、一部の車両は一定の価格帯に下がっていることは事実です。例えばガヤルドの前期型は1000万切る個体もいます。少し前の新車価格が今ほど高くなく、そして中古価格もこなれた”手が届くかもしれない”ランボルギーニになってきているということですね。もう高騰一方のネオクラフェラーリより手が届きやすくなってきました。
一方で、もちろんリスクはあります。世代によってはAudiの部品共有がない or 少なく、年式もだいぶ経ってきたことから故障リスクを抱えるドキドキ感がもれなくセットでついて来ます。フェラーリも同様なのですが、やはりツインクラッチに移行する前のハイパワーエンジン×セミATはクラッチ残量との戦いでもあります。さらにイタリア車の例の漏れず電気系統もトラブルの元でしょう。
クラッチ交換は1度にかなりの金額が吹っ飛ぶ(周辺部品の交換も含めると100万ぐらいは予算組んでおいた方がいい)ので、クラッチ残量を購入予算に組み込みながら購入計画を立てる必要があります。そして擦り減るクラッチを気にして乗れない保管車となるのも本末転倒ですね。。
■最後のMTランボルギーニ。いずれ価格が上がるなら今がラストチャンスではないか。
クラッチ交換が嫌だというわけではないですが(いや、ちょっとある)、僕はやっぱりMT、マニュアルトランスミッションのクルマが欲しいのです。大きすぎるパワー、暴力的な加速をコントロールするにはちょっとキツイ電子制御、大きすぎる車体、というてい易々と乗れる車ではないです。
でも最高。馬鹿デカいエンジン、クソみたいな燃費、猛牛の首輪をつかんで走るようなマニュアルのミッションコントロール。いえーい!それぞランボルギーニ!笑 純粋に操る楽しさを欲するのならライトウェイトでMTが最高の選択かもしれませんが、でも一度も乗らない後悔よりは、乗って後悔すべきだと思ったりもします。
古典的なスーパーカーを、しかもMTで欲しい。速く走りたければATですが、別に公道で踏み切れる腕があるわけでも、サーキットに持ち込んで踏み切る資金力もないわけなので、スーパーカーと楽しさの両立(スポーツカーとしては中途半端な妥協点なのかもしれないが、カーライフという意味ではひとつの究極と思う)としてMTの選択が僕に合っている気がします。なにより乗ってみなければ全くそれがいいのかわかりません。なら乗ってもいないのに勝手な意見を言っても意味がないでしょう。
MTモデルが存在するのはV10モデルだとガヤルドまで。というかベイビーランボも復活したのがガヤルドからなので、それしか選択肢がないと言えるでしょう。さらにMTだと前期型ならまだしも、後期型は滅多に出物がないように思います。価格も含めて現実的に最も安く手に入るランボルギーニかもしれませんが、MTの後期だと結構高い感じもしますね。V12モデルだとムルシエラゴ。逆にさらに前世代のディアブロだとプレミアがついて来ていて値段はそんな変わらない雰囲気です。
ガヤルドはともかく、ムルシエラゴを購入候補にになど夢にも思ったことはありませんでした。しかしV12ムルシエラゴがMTで手に入る可能性があると思うと手が震えますね、これは今手に入れなければもう一生チャンスを得られないかもしれません。ランボルギーニのV12というと量産車では至高の逸品であって、現行のV10ウラカンを中古購入するよりも安くそれが手に入ると思うと、そのチャンスを逃したら一生後悔する可能性も。
■しかしやばいのは維持費だ。思っていたのと寸分狂わず恐ろしい金額がかかる模様。
しかしやはり近年のランボルギーニではなく、一世代の前のランボルギーニ。フェラーリとランボルギーニについては最新世代になると故障がかなり減ってきていて、買って数年乗って売るなら新車か新古車を購入するのが良いと思っています。でも僕みたいに長く乗りたい人間は満額車両価格を払い切らなければならないので最新世代を買うのはちょっとキツイ。ちょっと前の世代についても、ギリギリで買えても恐いのは故障です。ローン支払いにカツカツだとトラブルがあったときに修理費用を貯めるまで不動車、そして修理費用が溜まった頃にはさらにトラブルが増えるという負の連鎖に陥るかもしれません。
もう10年前と結構古い記事ですが、ランボルギーニ麻布のサービスブログで恐ろしくも参考になる記載を見つけました。。ランボルギーニが言うなら嘘はないでしょう。
引用:「V10ガヤルドは基本メンテナンスフリーで高額なメンテナンスコストは掛かりません!V12のムルシエラゴ、ディアブロのメンテナンスコストは、走行距離が少なければ定期点検費用くらいですが、沢山走れば走った分だけ結構掛かります!ぶつけて壊した場合はビックリするくらい凄く高くつきます。」
メンテナンスフリー化したガヤルドは維持しやすいが、ムルシエラゴは走った分だけ恐ろしい金がかかると・・・もちろん現役世代の頃の話ですから、今となっては諸々の部品で交換時期が来ていることは予想されます。ディーラーがそう書いてくれるのは真実なのでしょうから、だからこそ信憑性があってやはり購入を躊躇してしまいます。その頃現役だったクルマが今では旧車なのですから、通常の消耗範囲であっても尚更メンテナンスコストがかかることは目に見えていますよね。。
引用:「V12は、古いエンジンの改良を重ねて熟成されて来たものの、基本的にはスチールパイプフレームをベースにした古典的なスーパーカー。生産台数が年間300~350台、一日1台程度をコツコツ手作りで生産しています。数が少ないだけに量産効果によるコストダウンは期待できませんね。ですから定期点検だけならそう高いコストでもないのですが、修理となると工賃はともかく、パーツ代が凄く高いです。特に外装パーツなどはカーボンを多用していますし、元の古いエンジンを最新のコンピュータ制御しているといっても電気系が弱い部分があります。」
パーツ代ですね・・・。これはフェラーリも同じ話です。
引用:「ボディ修正や交換必要な損傷を受けると、ガヤルドなら500万円以上、ムルシェラゴなら1000万円以上掛かる事がほとんど!」
1000万ですか・・・。怖くて乗れないじゃんよ・・・。笑
ちなみにクラッチの交換サイクルはガヤルドで15,000kmから。ムルシエラゴで10,000km程度から。もちろん即交換ではありませんが、これぐらいになったらクラッチ残量を気にして交換時期を見据えた方が良いということですね。ガヤルドで丁寧に乗ると30,000kmまでもつこともあるようです。さすがにこういった車を年間10,000km乗るようなことはないでしょうが、それでも交換時期が早すぎるな・・・というのが正直な感想です。
正直これらを見てビビってしまいました。僕の場合乗らずに展示品になってしまいそうな気がして、それだとクルマもかわいそうですよね。マニュアルだとクラッチはもう少し労ることもできるのでしょうが、だからといって交換時期がめちゃくちゃ伸びるわけではないですし・・・。と色々考えているうちに中古車市場からMTムルシエラゴが消えてしまい、今回は見送りとなりました。今回はと言いつつ、もしかしたら最後のチャンスだったかもしれないのですが・・・。