ローバーミニ:クーラント交換とラジエーターフラッシュによる水路洗浄をする。~水路洗浄編~

前回までにクーラント(冷却水)を抜いたので、今回はDIYでラジエーターフラッシュ(洗浄剤)で水路洗浄を行なっていきます。前回クーラントを抜くまでの作業記事はこちら。

ローバーミニ:クーラント交換とラジエーターフラッシュによる水路洗浄をする。~古いクーラント抜きと冷却ファン動作不良の原因分析編~
今回は冷却能力を維持するべく、DIYでクーラント(冷却水)を抜いてラジエーターフラッシュ(洗浄剤)で水路洗浄を行なっていきます。...つづく

クーラントは汚れているけど許容範囲。異物や油などが浮いていなければ基本的には問題無し。

抜き出したクーラントを見てみます。まぁ黒っぽく濁ってしまっているものの、問題なく綺麗な部類かと思います。元々蛍光グリーンで透明度はないので、濁っていること自体は問題ないんじゃないかと思います。なんか固形物が沈殿したり、油が浮いてたりするとまずいですね。

ローバーミニのクーラント交換

全部クーラントが抜け切ったらサーモスイッチは外して大丈夫です。下の画像ではサーモスイッチの奥にクーラントを抜くための白いコックが見えます。クーラントを交換するだけならこれを回して外せばクーラントが抜けます(今回も先にコックから抜けばよかったと後悔)。ちなみにコックはラジエーターの底面にあるので、この後コックを外すともう少しだけクーラントが抜けました。

それとクーラントは水道に流してはいけないので、廃液として処理します。ペットボトルなどに入れてガソリンスタンドに持ち込むなどが一般的のようですが、うちはまだオムツボーイがいるので、2重にしたビニール袋にオムツ4つぐらいを入れてクーラントをゆっくり流し込みます。これでオムツが吸水し袋に液体が残らなくなったらキツく縛ってゴミとして捨てることができます。紙で2リットル以上のクーラントを吸わせるには苦労するので、オムツを使うのが楽チンかと思っています。(画像は撮り忘れました、すません。)

ローバーミニのクーラント交換

このコックは(結構固いのですが)手でつまんで捻ることができるようになっていて、外したコックは下の画像のようになっています。気をつけて欲しいのが、下の画像には写っていないですが白いコックの他に丸いゴムパッキンがあります。ゴムパッキンはラジエーター側にくっついて残っていることが多いので、忘れず手探りで剥がしてください。今回は特に劣化していないようなので再度コックにつけて戻しました。このゴムパッキンを忘れるとクーラントは漏れてくるので絶対に忘れないように注意です!

ローバーミニのクーラント交換

結構熱が加わる部分なので樹脂だと劣化しそうな気がしますが、長く乗っていて今回も問題なく外れました。案外堅牢ですね。ただ万一ぽきっと折れたりするとネジ部分だけがラジエーターに残って取り除くのにめちゃくちゃ苦労しそうですが・・・

修理箇所はファンサーモスイッチで確定だが、交換部品がなかなか見つからない・・・いったん洗浄だけ続ける。

さて今回オーバーヒートの直接の原因だったサーモスイッチ。見た感じは全く問題なく、特に端子が錆びて通電しなくなっているような感じでもありません。ということは温度センサー自体が死んでしまったということなんでしょうね。スイッチを煮沸して通電テストすることもできますが、食べ物以外を煮ても良いような都合のいい鍋がうちにはないのでテストはやめておきます。いずれにせよ交換時期が過ぎている消耗品ではあるので、新品に交換します。

ローバーミニのファンサーモスイッチ
ローバーミニのファンサーモスイッチ
ローバーミニのファンサーモスイッチ

しかし問題がこの型番。97年以降のインジェクションミニで色々と部品を調べたのですが、まったく同じ部品というのがWebでなかなかヒットしません。型番も使って調べると海外のサイトで同じ部品が見つかったのですが品切れ(まぁこの部品のためだけにわざわざ個人輸入するつもりもないのですが)。

もしかしてつゆだく(うちのローバーミニ)に使っているこの部品は一般的でない?色々ググってみると普通のラジエーターには、このサーモスイッチを固定するクリップ用のソケットがついているようですね。そもそもサーモスイッチ自体にねじ山はなく、スイッチをラバーパッキンでラジエーターに差し込んだのちにクリップで抜けないようにするというのが通常の仕組みっぽいです。しかしうちのミニにはそんなものはないので、もしかしたらラジエーター自体が純正品でない?と思い始めました。僕が購入したミニ専門ショップではこのラジエーターを標準部品にしているのかもしれません。

とりあえず交換部品は手元にないですが、作業できるラジエーターや水路の洗浄から始めていきましょう。

ラジエーターフラッシュを使ってしっかりと水路洗浄。ショップによってはクーラント交換毎に水路洗浄を推奨しているみたい。

以前は水道水でバシャバシャと洗浄をするだけだったのですが、今回は修理ついでに冷却関連を一通りメンテナンスしようと思っているので水路もしっかりと洗浄していきます。

クーラントも熱にさらされるだけでなく、ラジエーターキャップを開け閉めしていればどうしても多少ゴミが入ったりしますし、何より心配はサビが内部で発生してしまっていることです。最終的には水路やラジエーター内の網を詰まらせるとクーラントが循環しなくなり最悪です。先ほど今回抜いたクーラントには異物のようなものは見当たりませんでしたが、次のクリーニングは2年先になってしまうと考えれば今回めんどくさがらず洗浄液を使ってクリーニングしておいたほうが良いですね。使うのは信頼のワコーズ製ラジエーターフラッシュ。

ラジエーターフラッシュ
ラジエーターフラッシュ

いったんサーモスイッチやコックを締めた後、まずはローバーミニに必要な冷却水の分量をざっくり知るべく500mlペットボトルに水を入れてラジエーターに注いで行きます。結果は約2.5リッター注いだら適量になりました。もちろんラジエーターのコックから抜けないクーラントも水路内に残っているので2.5リッター以上は容量があることになりますが、まぁラジエーターフラッシュ1/3注げば十分だということですね。説明によると6~10リッターに1本使用とのこと。

ラジエーターフラッシュはネットで手に入りますが、楽天だと送料が別でかかるショップがほとんどでAmazonで買うほうが安いですね。


でも今後さらに2回のクーラント交換まで(つまり4年後)開封後のボトルを取っておくのは、なんとなく劣化しそうで不安です。今回はやや多いですがボトルの半分を流し込みました。ラジエーター洗浄液の分だけ水位が上がるので、その分だけ水を少なめにしておくのがコツです。

ローバーミニの水路洗浄

そしたらエンジンを回して暖気します。アイドリング状態でもエアコンをつけなければオーバーヒートはしないので、このまま30分暖気しました。この時ヒーター内のクーラントも流すためにヒーターのチョーク(温度を調整するやつ)を最大限引いてヒーター温度をMAXにしておきます。

上の画像は水温も上がってきてサーモセンサーが開き、ラジエーターのクーラントも循環しているところ。水位が上下したり水面が波立っていたりすることで確認ができます。若干緑色なのは元々水路に残っていたクーラントと、ラジエーターフラッシュ自体に色がついていたからです。

念入りに洗浄液のすすぎは2回実施。今回は汚れが出てこなかったので水路内の状態は良いようだ。

30分エンジンを回したら止めて水温が下がるまで待ちます。もちろんこの後洗浄液を抜き出すのですが、水温が高いまま抜くと確実にヤケドします。そんなにすぐ水温が下がるものでもないのと、作業時間タイムアップだったので僕は一晩おきっぱなしにしてしまいました。

ローバーミニのクーラント交換

翌日バシャバシャと洗浄液を抜いていきます。ここでチェックすべきは抜いた洗浄液に異物が混入していないかです。洗浄液はサビや汚れを浮かせて落とす作用があるので、Web上で使った人のレビューを見ていると抜いた液に錆が出てきたりするみたいですね。

ローバーミニのクーラント交換

抜いた洗浄液は白濁していますが、特に汚れが浮いたり錆が沈殿していることはない模様です。つまり水路内の状態は良かったということですね。まぁ汚れが出てきたほうがやってやった感が出るのですが、それはそれで問題なので今回は良しとしましょう・・・笑

さらにすすぎをします。面倒ですがまた栓をしてラジエーターを水で満水にし、水温が上がるまで暖気します。正確に言うとサーモスタッドが開く温度まで水温を上げ、ラジエーターまで水が循環したことを確認してから水を捨てます。これを念のため2回繰り返しました。これで洗浄は完了となります。

通常のクーラント交換だったら、これでしっかりと栓をしたら水道水ではなくクーラントを入れて作業完了です。でも今回はこのままサーモスタッド、ファンサーモスイッチなど中期消耗品を新品交換してオーバーヒートを予防したいので、とりあえず水だけを満水にしておきます。どうせこれらの部品を交換するときにクーラントが流れ出てしまうので、全部の部品を交換して動作確認したらクーラントを入れることにします。

次回はサーモスタットの交換です。

ローバーミニ:サーモスタットを交換してオーバーヒートを予防する。~分解と洗浄編~
水温が上昇してきた際、冷却のためラジエーターにクーラントを流すよう水路を分岐する役割を果たすのがサーモスタット。今回はDIYでそ...つづく