ローバーミニ:サーモスタットを交換してオーバーヒートを予防する。~組込と動作確認編~

水温が上昇してきた際、冷却のためラジエーターにクーラントを流すよう水路を分岐する役割を果たすのがサーモスタット。今回はDIYでサーモスタット動作テスト・交換とガスケットの取り付けを行います。

前回はサーモスタットハウジングの分解・清掃と、新しいガスケットを組み込む前に取り付け面の均しをしました。前回の記事はこちら。

ローバーミニ:サーモスタットを交換してオーバーヒートを予防する。~分解と洗浄編~
水温が上昇してきた際、冷却のためラジエーターにクーラントを流すよう水路を分岐する役割を果たすのがサーモスタット。今回はDIYでそ...つづく

交換作業に必要な購入部品は3種類。DIYなら全部で¥4,278あればサーモスタットの交換ができる。

今回サーモスタットの交換作業で準備しておく部品は以下の3つ。僕は高かろうと(場合によっては倍額ぐらいしますが)極力国産部品があるものは国産を選ぶようにしました。結局またトラブルが起きたり、交換作業する手間を考えると結果として安いです。

ローバーミニのサーモススタットガスケット
  • サーモスタット:国産品で設定温度88℃(1,480円)
  • サーモスタットハウジングガスケット×2枚:国産品(275円×2枚)
  • 液体ガスケット:安心のワコーズガスケットメイク(2,248円)

それとハウジングの固定ボルトが劣化している場合はそれも用意したほうがいいですね。案外液体ガスケットが一番高いという・・・。一応開封後は使用期限があるのですが、そんなまだまだ量は残っているのでしっかり封をして取っておくことにします。サーモスタットとガスケットはいつも使っているミニの専門ショップでネット注文、液体ガスケットはAmazonで購入しました。

まずサーモスタットから。サーモスタットは色々と種類があり主には設定温度が違います。要は水温何度でラジエーターへの弁を開くかという設定で、設定温度が低いほど水温上昇に対して早く冷却が始まりますが、水温は低ければイイってものではなく適温があります。レースとか過酷な状況で使いたい人などは設定温度が低いものを選びますが、普通のインジェクションミニは88℃設定のサーモスタットを選択します。

やたらとオシャレな箱を開けてサーモスタットを取り出すと、交換前の物と基本構造は同じだということがわかります。左が新しいBMC製、右が古いWAX製のものです。設定温度88℃と記載があります。

ローバーミニのサーモスタット
ローバーミニのサーモスタット
ローバーミニのサーモスタット

どんなふうに動作するのかわかりづらいですが、円盤の内側にある円形の蓋を裏側のバネが押さえつけており、設定温度を超えると金属が熱変形を起こしてこの内蓋と円盤に隙間ができます。それでその隙間からクーラントがラジエーター方向に流れるわけです。

日本製と言っても100%信頼できるわけではなく、動作テストを行ってから取り付けるのが理想です。でもうちには食品用の温度計しかなく、こういう部品の温度を測るのはなぁ・・・ということで作動温度は測りませんが、作動することだけは確認します。もちろん国内生産以外だったら尚更テストしておいた方が良いです。

サーモスタットは新品だからといって設計どおり動作するとは限らない。できれば組み込む前にテストする。

とりあえず煮る鍋もないので、捨ててもいい耐熱プラ容器に沸騰したお湯でも注いでみますか。たぶん88℃ぐらいは維持できるはずです。

まずサーモスタットの内蓋というか弁がぴったりしまっていることを確認します。下の画像を熱湯につけた後の画像と見比べるとどこが開くのかわかるはずです。

ローバーミニのサーモスタット動作テスト

熱湯を入れるとじんわりと弁が開いて隙間ができてくることがわかります。下の画像はもう弁が開いていますが、「そんなもん?」というぐらい狭い隙間なのでこれでクーラントが十分流れるのかは心配です。。

ローバーミニのサーモスタット動作テスト

ペンチで引き揚げて裏側を見てみますが、ちゃんと弁に隙間ができていることがわかります。新旧サーモスタットの両方がほぼ同じタイミングで同じように弁を開いたのでおそらく正常動作ということにしましょう。

ローバーミニのサーモスタット動作テスト

古い方のサーモスタットも動作は正常なのですが、消耗品なのでそろそろいつ動作不良を起こすのかわからないため交換しておくことにします。僕は正常動作するものは念のため緊急用のスペアとしてとってあります。

次にガスケットもチェックしておきます。今回はなんかプラスティックっぽい弾力のある素材で、ショップではいくつか種類があったのですが一番良いものを買いました。切り端部分の処理など非常にきれいで良い製品ですね。

そしたらハウジングに合わせてみます。

ローバーミニのサーモスタットガスケット取り付け

穴がいっこ合ってないじゃん!!笑

2つの穴に位置を合わせたら1つの穴がずれて合いません・・・これではボルトが入らないですね。と思ってぐるぐる回しながら合わせてみると、なんとぴったり全部の穴が合う向きが存在します!

ローバーミニのサーモスタットガスケット取り付け

なんやねん!と思いますが、元々のローバーミニの設計でボルト穴が正三角形じゃないんでしょうね。ガスケットは部品原寸に合うように若干穴の位置をずらしてあるわけです。なんと高品質なガスケット。素晴らしい。

事前に部品合わせをしておいてよかったです。後で液体ガスケット塗ってから慌てて作業してたらズレた穴に無理やりボルトを通していたかもしれません。

ガスケットの組み込みはタイムアタック。サーモスタットガスケットは特定の向きでないと穴の位置が合わないので注意。

さて最後に新しいサーモスタットとガスケットを組み付けていきます。液体ガスケットは硬化時間が7分と短いので事前に室内では塗っていません。液体ガスケットを塗って組んでからボルトを閉めることで液体ガスケットが均一な厚みに伸びるかなと思っているからです。2枚のガスケットの両面にきれいに液体ガスケットを塗って組み付けるのに7分。タイトですね。笑

ローバーミニのサーモスタットガスケット取り付け

とりあえずタイムアタックをする前に念のためガスケットの向きを再確認しておきます。するとベロ(温度設定を書き込む欄があったので書き込んでおいた)を手前にすると、なんと上の画像のようにオルタネーターを固定するステーにぶつかって穴に合わなくなります。事前に確認しておいてよかった・・・。

ベロをハサミで切り落としてエンジンブロック側の穴に合わせるとぴったり。ベロがあった方を手前にしています。そしたらガスケットの各設置面を脱脂して準備OK。それと組み付けを始める前に、各ホースにホースバンドを通しておかないと後で通しづらくなります。

ローバーミニのサーモスタットガスケット取り付け

そしたら液体ガスケットを塗って乗せていきます。もちろん両面に塗っているのと、ボルトを通す穴の内側にもガスケットを塗りました。ボルトの穴に冷却水が漏れると錆による固着原因になるので、なるべく防ぐことが狙いです。

ローバーミニのサーモスタット交換

サーモスタットは裏表があり、バネが下です。でも角度は特に規定がありません。サーモスタットの円盤が土台の溝にぴったり合ってはまります。

ローバーミニのサーモスタットガスケット取り付け

エンジンヘッドの上にガスケット→サーモスタット土台→サーモスタット→ガスケットの順で乗せていったところ。ここも注意が必要で、ガスケットによってはサーモスタット円盤より円の内径が小さいことがあり、先にサーモスタットを載せてからガスケットを載せないとサーモスタットが浮きます。

上の段のガスケットはベロを残したまま88℃と書いておきました。

ローバーミニのサーモスタット交換

あとはハウジングの3つのロングボルトだけ止めます。これで各部品の穴も揃いますし、一定の力で締めておけば液体ガスケットも均一に伸びるはずです。

熱固着しやすいのでボルトにはスレッドコンパウンドを塗る。乾燥するまで3時間待ったら漏れがないかテストをして完了。

この後3時間は液体ガスケットが完全に固まるまでクーラントを流してはいけないため、ホースの組み付けも後回しにして乾燥させておきます。

しっかり乾燥したらホース類やステーを取り付けます。それと先ほどは7分のタイムリミットの中で間に合いませんでしたが、いったんハウジングのボルトをそっとはずして、熱固着を防止するためのスレッドコンパウンドを丁寧にねじ山に塗って再度取り付けておきました。

ローバーミニのサーモスタット交換

これで足りない分の水をラジエーターに追加し、水漏れとサーモスタットの動作確認を行います。ラジエーターキャップを外して中を覗いていると、サーモスタットが開けばラジエーター前方からクーラントが流入して波立ちます(確認するときは水位低めの方が見やすい)。波立ちはわかりづらいですが、サーモスタットが開く前と後でずっと眺めていれば、波立ちが大きくなることで判断できます。もちろんわかりづらいから流れを感じようと指なんて突っ込んだらダメですよ。笑

それとサーモスタットハウジングやホース周りで冷却水の漏れがないことを確認できたら動作確認完了です!あとは現在部品を取り寄せ中の電動ファンサーモスイッチを新しいものに付け替えたら、ようやく本物の冷却水を入れて作業完了です。