ケイマンミニパナメーラ:馬力とライトウェイト。僕の車の選び方。~軽さは正義編~

前回は馬力あればあるほどいいよね!という「Youはアメリカ出身ですか?」と質問が来そうなレベルのマッスルトークでした。

ケイマンミニパナメーラ:馬力とライトウェイト。僕の車の選び方。~馬力は正義編~

まぁ実生活では150psあれば充分なのではないでしょうか。これだけあれば大人数で乗っても、坂道でも高速でも普通に乗っていられる気がします。

「そんなのかんけぇねぇぇ!!」

とばかりにこちらのパナメーラSは400ps。ベースグレードだと300psなのですが、一気に100馬力が上がるのであればSグレードが欲しくなってしまった安直な僕です。

今日は話が変わって車体の軽さについてです。

■馬力は正義だ。でも最近は軽さが僕の優先事項に。

残念ながら僕は「馬力やトルクは大きければ大きいほどいい」という今時の若者とは逆行した人間なので、カタログを見て馬力が小さいだけで不安を感じます。笑

ただ昔グランツーリスモをやり込んでいた子供の頃から大人になったかな、と思うのが車体の軽さを重視するようになったこと。これは実家で重たいけどトルクのあるハリアーに乗っていた後、自ら購入したポルシェ・ケイマンS(ぽすけ)で学びました。ああ、軽さは正義だと。

そしてローバーミニ(つゆだく)で強く感じたのが、直線加速は馬力がものをいうが、一旦スピードに乗ってしまえば軽さがものをいい、800kgもないクラシックミニはコーナーで羽のように曲がって楽しいということです(もちろんミッドシップのケイマンは別格でしたが)。

ひとつのメジャーな指標として、よくパワーウェイトレシオ(重さあたりの馬力のこと)を目にします。

以前と事情が変わってきているのが、セダンにも400馬力以上のエンジンを載せられるようになってきたこと。セダンは重く、高級さを追求すると2トンに迫ります。それでも400馬力(今時は500馬力オーバー)のエンジンを載せればパワーウェイトレシオは飛躍的に向上し、確かに直線レースでは鬼のように速いのです。

でもそれは「基本的に直線に適用されるもの」だと考えています。馬力とはすなわち車を前進させる力であって、直進方向にのみ働きます。一方で車重とは慣性を生むものであり、これは全方向に働きます。

何を言いたいかと言うと、直線勝負は馬力がものを言うが、コーナーリングでは重たい車体は軽やかに曲がれないということです。今の技術ではサスペンションを中心に「馬力のように金さえかければ性能をあげられる」状態ではないということ。だからサーキットでは同じようなパワーウェイトレシオでも軽さに分があるスポーツカーとタイムが離れます。

■僕は重たいと精神的に疲れる。

峠道を走っていると、パナメーラS(めぇさん)のようなビッグサルーンは疲れます。別にサスペンションをスポーツプラスに入れて400馬力で引っ張れば、ロールもしないし走行性能に不足などないのですが、僕の気持ちの問題です。

重い体を引きずるような、どうしても峠では力で押さえつけるような気持ちになるのですね。それはケイマンSやローバーミニとあまりに極端に特製の違う車だからそう感じるのかもしれません。ただ僕の気持ちとして「軽い車は精神的に疲れない」というのは絶対です。

もちろん高速道路を巡航しているとパナメーラはスピードが出る一方で、車重があるからこそ室内は別空間状態を生んでくれ”個室新幹線”と言われた所以もよくわかります。でも都内でストップアンドゴーを繰り返していると、なにやら運動エネルギーを浪費しているような気持ちになります(理系の嫌なところですね)。

そして2トンの巨体が300km/h近くで走るとなると足回りやタイヤへの負担もすごくなることが考えられ(ホイール&タイヤもデカイので重い)、高速道路の継ぎ目なんかで、

「大丈夫だろうか・・・」

という若干の不安に苛まれます。もちろん大丈夫な設計のはずで、さらに他のセダンと違ってパナメーラはニュルも攻めてたりするので余裕なはずなのですが・・・

とりとめのない雑談でしたが、シトロエンC3のような、パワーはないけど軽さが追求された車は僕に合っているのかもしれません。それを教えてくれたのは極端に軽くてパワーのない、つゆだく(クラシックミニ)でした。

400馬力のパナメーラS、300馬力のケイマンS、50馬力のクラシックミニに乗ってきて見えてきた指針なので、それほど間違っていないのではないでしょうか。もちろん「僕の場合は」ですが。