前回はコーティング材の種類や僕の用途使い分けについて書いてきました。今回は最後の記事としてコーティング剤の重ね塗りの考え方と、最終的な仕上がりを紹介したいと思います。
前回の記事はこちら。
このページのもくじ。
■硬化型ガラスコーティング剤は重ね塗りをすることで、プロショップのような厚い皮膜を作る。
コーティングは塗装面の上に膜を作ることです。これも硬化するとはいえ、洗車などを経て数年で落ちてしまうのですが、同じコーティング剤なら膜が厚いほど長持ちします(そして傷の防御力も高まる)。
コーティング剤も塗料と同じで、硬化する成分+溶剤でできています。この硬化する成分が乾燥後に膜として残るのですが、ちゃんとしたプロショップでは濃度が濃いいものを使っているようです。なので1回のコーティングで厚い皮膜を形成できます。
でも市販品は素人用なので薄めらしいのです。だから良く伸びるし、薄いから目に見えたムラにもなりづらいとのこと。業務用を手に入れるのは難しいですから、何度か塗り重ねることで同じような厚さを出したいというのが僕の考えです。その結果4回塗り重ねをしています(そのコーティング剤はショップの1/4に希釈していると書いてあったので、じゃあ4回塗るかとしています。笑)
このショップの宣伝をしたいとは1ミリも思わないのですが、使っているのはリボルトというショップの市販製品。理屈はわかりませんが、この製品は一応塗り重ねOKと書かれていました。
ただしこの製品はセットでスプレーも使う必要があり、上記の硬化型コーティング剤をスポンジで塗ったあと、硬く絞ったタオルに下のスプレーをかけて拭くことで硬化度が高まるとのこと。商売っ気も感じますが、大人しく両方使っています。ちなみに僕は3台施工するので大ボトルで購入しています。
リボルトは以前使っていたピカピカレインよりも皮膜が厚いように感じられ、実際に使い終わる頃には瓶の先端に残っていたコーティング剤がちょっと固まったりするのですが、そのパリパリとしたガラス成分の量が多いように感じます。
超感覚的にはなりますが、皮膜の厚さから来るツヤ感はリボルト、水の滑水感はピカピカレインかなと感じます。でも僕は皮膜とツヤを重視。なぜなら洗車毎にさらに非硬化型コーティングをするので、ベースの硬化型ガラスコーティングの滑水力はあまり関係ないんです。
あとコスパでいうとリボルトは瓶とスプレーの2つを購入する必要がありますが、内容量は多いので結果としてリボルトの方がお得かもしれません(重ね塗りをして数回分使うこととすれば)。
■ルアーメイキングで培った独自理論だが、前に塗ったコーティング層をわずかに侵食するぐらいが望ましい。
ここからは僕の独自の考えですが、コーティングというのは液体なので、もちろん塗って乾く前にまた塗っても混ざるだけで厚くなっていきません。でも完全に硬化し切ってから重ね塗りをすると、完全に前回塗った皮膜と今回塗った皮膜が層になります。一見良いようですが、層と言っているのは膜と膜の間が融着しているわけではないので、剥がれやすい状態になるということを言っています。
理想は分厚い1層の膜になることですが、完全乾燥した状態で重ね塗りすると薄い層が複数層になるため、層の間で剥がれが発生する可能性が高まると思うのです(実際に目に見えて何かが剥がれたことはない)。撥水性のある成分ならなおさらですね。
これは釣りのルアーメイキングをしていた頃の経験則なのですが、コーティングを塗り重ねていく際に、完全乾燥した状態でサンディングもせずただコーティングを塗り重ねていくと、完成したルアーは割れやすくなります。岩にぶつかってしまった時など、実際にコーティング膜が層になって剥がれたこともあります。
これを防ぐ考え方が、前に塗った層が80~90%ぐらい乾いた状態でコーティングを塗り重ねることにより、新しく塗ったコーティングに含まれる溶剤がわずかに前の層の表面を溶かします。これで融着するのです。ルアーではこの考えで実際に効果がありましたが、クルマのコーティングでその効果が出ているのかはわかりません。でもコーティング表面にこれまでトラブルが起きたことはありません。
感覚的ではありますが、完全乾燥に1週間と書かれているので、1日~3日おきのスパンでコーティングを塗り重ねていくようにしています。もちろん仕事があるので難しい場合は毎週末塗っていく(でも1ヶ月かかる・・・)感じになります。
■仕上がりはこれまでで1番良いと思う。そのうち1眼レフで撮影に行きたいな。
コーティングがガッツリ4回完了したところ。乾燥過程でちょっとホコリが乗っちゃっていますが(今はシャッターが開きっぱなしだった)、パールっぽいボルケーノオレンジがいい感じに艶を出していていい感じです。金属パーツは外して個別に研磨・コーティングをしています。
コーティング作業もかなりライティングに気を使う必要があり、わずかなムラ(若干曇ったように見えたり、タオルの拭きあと見たいのが残る)は強い光を当てながらでないと見落とします。磨きの仕上がりチェックと同じようにいろんな角度から光を当て、目を凝らすことでムラを確認しながら施工します。スポンジでコーティング剤を塗り、硬く絞ったタオルにスプレーをして軽く拭き、さらにそれが乾く前に別のタオルで乾拭きします。乾拭きしないとムラになるのと、ムラがあれば乾拭きで伸ばしていきます。
その結果、新車から24年経ったクルマとは思えないぐらい、ピカピカで最高です!
というか周囲を反射しすぎてじょんじょん(ミニF56 JCW)のナンバーが映り込んでいたりして気を使います・・・モザイクかけました。笑 パナメーラも映り込んでいますね。
西陽ですが、日差しの下に引っ張り出すとこんな感じ。良く反射していて綺麗です。やっぱりボディ表面が綺麗だとクルマ 全体がピシッとしますね。
iPhoneで撮っているので写りはこんなもんですが、サイドパネルの傷も全く見えません。作業用に目立つような光の当て方をしないと気にならないものですね・・・
近々一眼レフを持ち出してつゆだく(ローバーミニ)の撮影をしてあげたいなと思います。長い長い記事でしたが、最後まで読んで頂いたマニアックな方はありがとうございました!