ロータス:東京で1台しかない最新エミーラを見てきた!美しいこの一台は本気で購入したくなる。

先日の週末、東京は代官山の蔦屋書店にロータスエミーラの実車がやってくるということで「これは見たい!」と行ってきました。「東京方面で実車を見れるのは今ここだけ」という触れ込みなので(日本に何台デモカーの実車があるのかわかりませんが)、このチャンスは逃したくないと写真を撮ってきています。おそらくシャドーグレーのカラーなのでオートサロンで展示された車両と同一だと思います。

今回は外観だけですがインプレッションを書いていきたいと思います。

なんと言ってもデザインが美しい。マセラティMC20と似ていると思ったけど1,000万円以上安いならお買い得か。それでも1,400万円以上するけど・・・。

なんといってもエミーラは美しい。この新型車が発表された時から本気で欲しいと思っていました。

ロータスの「エリーゼ」「エキシージ」「エヴォーラ」も最後の生産を終え、中国資本になったロータスの行末は正直かなり不安でした。しかしそんななかで”最後のミッドシップガソリン車”として発表されたエミーラ。

僕はその前に発表されていたマセラティのMC20が”どタイプ”だったのですが、やはりベース価格で2,600万以上、そして今回ばっかりは違うかもしれない・・・と願いつつも、やはり値下がりのキツいマセラティというブランド。これらを考えるとこの金額に手を出すことを躊躇ってしまう”最初から金のかかる女だとわかっている”タイプのクルマです。

ロータスエミーラサイド

しかし似たルックスで、コアなライトウェイトスポーツを作り慣れたロータスからエミーラが発表されたのはMC20にとっても都合が悪いかもしれません。これまでのロータスだと本国価格に対して日本の価格はかなり差があるであろうことは覚悟が必要ですが、それでも1,000万ちょいで乗り出せるかと期待していました。しかし発表されたのは車両本体価格で1,353万円〜ということです。むむむ、思ったより高い。本国価格で915万円〜という話なのでガイシャは高いなぁという感じ。

でもMC20より1,000万円以上安いですから、こちらの方が購入が現実的でコスパが良いかもしれません。

ロータスエミーラフロント

ではデザイン以外でもその価格に見合うパフォーマンスを持っているでしょうか。キャラクターとしてはV6の3.5リッタースーパーチャージャー、馬力は405psというスペックで(いずれ360ps以上の4気筒モデルも出るらしい)、しかしエリーゼのように徹底的な軽量化と重心がセントラライズのされたサーキットマシンというよりは、エヴォーラのようなGTカーに近い印象を受けます。それはボディサイズや、センターコンソールがある内装からも伺えることで、車重は1400kgちょいを目標としていることからも、悪いことはないですがめちゃくちゃ軽いということはないです。

デザインだけでも価値のある車。そのラインの美しさはアートだと思う。

しかし美しい。しつこいですが僕はそのデザインが好きです。

これまでストイックなまでのサーキットパフォーマンスと、MTで操る最高のハンドリングマシンとして価値のあったロータスですが、今回僕はその美しさだけでも十分な価値を持っていると感じています。“どタイプ”なわけです。そして世の中のピュアガソリン車排斥の方向から、このエミーラが最後のミッドシップピュアガソリンモデルとも言われているため、サーキットファンなら必ず選択肢に入るモデルなのかもしれません。僕も欲しい。めちゃ欲しい。でもサーキット用にするなら同じ価格で3-イレブンの方が欲しいかもと思ったりもします(サーキット以外で走らせるところないけど)。

デザインを見ていきましょう。いつも僕のブログはスマホ撮りが大半なのですが、稀にガチンコのイチデジを持ち出します。世代は最新じゃないですがNikon D810で、画質のきめ細やかさではニコントップ。グラビアのような静画を撮るならコレというモデルです。笑 今回エミーラを撮影するにあたってはこのカメラを持ち出したので是非その美しいボディラインを堪能してください。

ロータスエミーラサイド

フロントのノーズは尖って美しいデザインですが、純正ではそれなりの最低地上高が確保されていて、ノーズに向かってボトムが高くなっていく実用性の高いデザインです。これは実用性を担保しつつ、前面の投影面積を上下薄くしてスポーティに見せるという常套手段、ポルシェのミッドシップシリーズでも上手に取り入れられていますよね。

ロータスエミーラサイド

そして特にテールに向けて抑揚の強いデザイン。曲線基調でありつつかなりボディラインにエッジが効いていてめちゃくちゃ美しいです。ミドルサイズの車でありながらこれだけ優雅な(寸詰まり感のない)曲線を描けるのはデザインの良さだと思います。エミーラにおいてインパクトの強い(僕好みな)ラインは4つあって、ひとつはフロントボンネットのエアアウトレットライン、そしてサイドアンダーエアロのコークボトルライン、くり抜いたようにエッジの効いたサイドエアインテーク、そしてグッと盛り上がったリアフェンダーから跳ね上がったテールスポイラーへのライン。

ロータスエミーラリヤ

特に好きなのは僕がぽすけ(987ケイマンS)の頃から愛していたサイドミラーに映るリヤフェンダーライン。ポルシェのような曲面ではなく。テスタロッサのように波打つ平面で表現されていてめちゃくちゃインパクトあります。サイドエアインテークのメリハリとあいまってこれはずっと眺めてられますね。

エアの流れが目で見えるデザイン。特に吸排気デザインの本気さはスーパーカーレベルだと思う。

そしてフロントとリヤもかなりエアダクトが開いていて、もちろんフェイクなんて微塵もありません。僕は機械としてクルマが好きなのであって機能美とは程遠いフェイクエアダクトが好きではありません。。エミーラはあくまで実用性を重視しているところが僕の機能美琴線をくすぐります。ミッドシップエンジンなのでサイドからエアを吸い、そのエアインテークは近くでよく見るとメッシュもなくダイレクトにインテーク内にラジエーターが覗きます(これ葉っぱが溜まる)。

ロータスエミーラフロント

そしてリヤにはクーリングに使われたエアがガッツリ抜けるダクトがありますし、ボディアンダーのマフラー周りも通気できるようにメッシュ、そしてその下には控えめながらディフューザーがのぞきます。

ロータスエミーラリヤ

そして驚いたのがリヤエンジンフード。リヤウィンドウ左右のメッシュから熱気が抜けるのはもちろん(雨に濡れる覚悟があるという意味でも)デザインだけでなく機能性を重視した結果だと思いますが、さらにリヤから真っ直ぐに見ると長いリヤガラスウィンドウの後端はなんとボディパネルから浮いているんです。ここには隙間があって、ここからもエアが抜けるということだと思います。なんという本気!そしてなんというデザインの美しさ!!

ロータスエミーラリヤ

フェイク一切なしの本気設計ですね。ちなみに僕の乗っていた987ケイマンだとリヤバンパー下は通気しやすいようスペースがありましたが、リヤダクトなんて設置がなかったので左のサイドエアインテークは吸気、そして実は右側は排気という設計でした。「その点についてはちょっと効率悪いんじゃない?ピュアじゃないなー、、、」と思ったこともありました。

全体のパッケージングではポルシェケイマン、アルピーヌあたり(エリーゼのようにウルトラライトではないがライトウェイトピュアスポーツ)を競合に捉えますが、そのスーパーカーのような、そして実際のエア抜けを考えたパフォーマンス重視のデザインは一歩抜きん出ていると思います。400馬力のパワーもやや競合に対して優位であり、走行レビューがないのでまだわかりませんが、これで操作性のピュアさがピカイチだったら完璧。僕の好みの問題もありますが、これまでライトウェイトスポーツならケイマンと考えていたところがひっくり返ってしまいそうです。

ここは初期ロットで予約をかけずに、実際のパフォーマンスレビューを見てから購入申し込みすべきか。納車が遅れてもエミーラは長きにわたって価値を維持すると思う。

ただミッドシップのエンジンルームを覗いてみるとそのエンジンヘッドカバーは思いの外高い位置にあり、この辺りは相対的にポルシェのフラット6はあまりに低重心ですげーなーと思うところ(987ケイマンSはエンジンの真上に消音スポンジとカバーがあり、そしてさらにカバーの上に荷物が乗るレベルでエンジンが低かった)。エミーラはスーパーチャージャーなので、一般的にスーチャーはエンジン上に設置することが多く、これがエンジン周りが高くなる要因なのかもしれません。

ロータスエミーラエアインテーク

3.5リッタースーパーチャージャーエンジンは定番のトヨタ製のV6、2リッターターボエンジンはAMGの直4。AMGの直4ターボといえば400馬力オーバーのスペックを持っていますが、そこはメルセデス車意外にはそのスペックでは載せさせないということですね。

僕としてはデザインだけですぐにでも欲しいレベル。ただ冷静に考えれば、果たしてポルシェケイマンベースグレードに対して1.5倍という思ったより高い金額を払うべきかどうか。正直1,500万円レベルの車を買うなら他にたくさんの選択肢があり、サーキットをやらないのなら中古スーパーカーとゆっくり過ごす方が自分の人生へのインパクトがでかい可能性もあります。僕が以前商談したフ中古のフェラーリ599フィオラノだって購入できますから。ブランドと価格だけ見るとロータスのコアなファンでなければ手放しに食いつくかどうかはなんとも言えません。。

ロータスエミーラヘッドライト

あとはパフォーマンス。サーキットパフォーマンスが圧倒的なら1,400万円は他のクルマを押し除けて購入するのに値するかもしれません。サーキットでロータス勢がかなり高パフォーマンスなのはわかっていますが、今回資本も変わって、内装だけを見る限り比較的GT的な味付け。となるとそれなりに生産が始まってサーキットパフォーマンスレビューを見てからでも注文は遅くないのかもしれません。そしてパフォーマンスが保証されれば、ピュアガソリンエンジンのピュアミッドシップスポーツロータスとして今後長くにわたって価値を維持するんだと思います。

ここまでくると”何をとるか”人それぞれなのかもしれませんが、エミーラを買えるなら買っておいて損はないかもしれません。損するぐらい値下がったら僕がすぐに買います。笑 1,000万に収まってたら色々なものを捻出してすぐ買ったと思います。乗ってないからわからないですが、見た目ではそれぐらいイイ車。

ロータスエミーラサイドライン

ちなみに展示機会が少ないからだと思いますが、今回のエミーラの展示には冷やかしではなくガチで購入検討している勢がそれなりにいました。ディーラーの人も「僕らも情報欲しい状況です・・・」というぐらいまだ情報が降りてきていないようですが、それでも購入に前向きな会話をしている姿が散見されました。

海外の実車レビューを見ながら考えることにしましょう。